トマトの水やりは、毎日1回・朝のうち(※1)にあげるのが基本ですが、実がつく前と後、およそ梅雨の時期を境に、頻度が変わります。
種まきから苗を定植して(梅雨入り前)は、土の表面が乾燥しないように毎日水やり。
その後、梅雨に入って花芽がつき、着果したのを確認したら水やりを控えます。
ここでは、一般的なトマト(ミニ~中玉程度)を種からプランターで育てた場合の水やりについて、成長段階ごとに解説します。(苗から育てる場合は「植え付け・5月上旬」~を参考に)
トマトの水やりは、毎朝1回が基本
トマト栽培は種まきから収穫まで約7か月、この期間中「実がつく前後」で水やり頻度が変わります。
種まき~育苗(3月中旬~4月下旬)
トマトは3月中旬頃ポット(3~4号サイズ)に種まきして発芽・育苗し、5月上旬の植え付けを目指します。
種をまいたらたっぷり水をやり、発芽まで土が乾かないよう水やりします。
発芽の最適温度は20~30℃、種まきの頃はまだ20℃にも達していないことが多いので、室内で管理するとよいでしょう。
本葉が4~5枚出て株がしっかりしてきたら、土の表面が乾かないよう1日1回、朝のうちに水やりし、日中は日当たりの良い窓辺に置き、夜は窓から離して暗い場所に置きます。
トマトの苗がおよそ30~35㎝くらい、一段目の花芽が確認できたら定植のタイミングです。
植え付け(5月上旬~)・たっぷり水を与える期間
定植する前に、育苗してたポットごと水につけて吸水させるか、植え替え後にたっぷり水を与えます。
その後2週間ほどは、まだ根付いてない状態なので朝、土の表面が乾いていたら十分な水を与えましょう。
トマトの水切れサイン
土が乾いて葉がしんなりと垂れ下がってきたら、水切れサイン。すぐに水やりしてあげましょう。
プランターは畑に比べ、土の量が少なくため込む水分量も限られるので、水切れしないよう定期的に、土の表面をチェックすると安心です。
また、ベランダではコンクリートの上にプランターを置くことになり、水切れを起こしやすくなります。そんな時は、広めに人工芝を敷きその上にすのこを設置、その上にプランターを置くと過度の乾燥を防げます。
プランター選びがポイント
トマトは根の生育が旺盛なのでプランターは、深さが30㎝以上ある野菜用の深型プランターがおすすめです。ちなみに直径30㎝に対してトマト苗1株が目安。
※小さなプランターに複数の苗を植えると、水枯れや根腐れの原因になります。
トマト1株あたりの水量は?
ほとんどの植物で、土の表面が乾いたら「底から流れ出るまでたっぷり与える」のが適量と言われます。
具体的には5~6号(直径・深さともに15~18㎝)で、およそ600ml前後。トマト栽培の場合、1株あたり小さいうちは約1ℓ、株が生長してきたら1.5ℓほどが目安になります。
土選び
プランターに使う用土は、野菜用培養土を使うと便利、トマト専用なら◎。
梅雨の時期(6月~7月)水やりは控えめ
雨が多いと余計な水分が土に含まれ、トマトの水分も多くなり味が薄く、甘味も薄くなるので、水やりは控えめに。
また、雨にあたるとトマトは実割れを起こしやすくなり、泥が跳ねて葉に付くと病気にも侵されやすくなります。(※2)
プランター栽培なら、雨の当たらない軒下などに移動させ、動かすのが難しい場合は、支柱とビニールを使い雨よけしておきましょう。
収穫間近(7月~)水やりを控える
トマトの実が大きくなりだしたら、水やり頻度を少なくします。
家庭菜園では収穫することが目的なので、枯らさないよう適度の水を与えていきますが、土が湿っていれば毎日水をあげる必要はありません。
トマトの葉がしんなりしてたら、朝のうちにたっぷりの水を与え、夕方ムリして水やりする必要はありません。
土と肥料も追加しよう
プランター栽培では、水やりを繰り返すことで、土が凹んで根が見えてくることがあります。このような時はトマトの根元に用土を足してあげます。
また、1段目の実がピンポン玉ほどに育ったら、あるいは3段目の花芽がつくころ、1回目の追肥を与えます。1株につき10gの肥料を株元に与え、それ以降は2週間ごとに追肥していきます。
いよいよ収穫!(7月~)
この時期も、朝土が乾燥してたら水やりします。
開花から約55~60日後、ヘタの付け根まで真っ赤に色づき完熟し、ガクが反り返ってたら収穫のタイミング。トマトの摘みとりも、朝一番で行いましょう。
トマト・キュウリ・ナスなどの果菜類は、昼間に太陽の光を浴びて光合成しその養分を夜間、実に蓄えるので、朝採りがいちばん養分が濃く味も良いです。
ちなみに、トマトは木が枯れるまで収穫可能ですが、5段目に花芽がつくころ、病害虫が出やすいため様子を見て、片づけるかどうか判断すると良いでしょう。
花も野菜も水やり次第
どんな植物でも水やりは大切ですが、やり方を間違えると枯れたり、病気になることがあります。
水やりはトマトに限らず「1日1回、朝あげる」のが基本です。
また、ガーデニングや家庭菜園では、プランターを使うことが多いと思います。この場合
- 水やりの頻度と量
- 時間帯
- 水をかける場所
- 使う水
以上の4つが水やりのポイントになります。
植物や草花の水やり・頻度と量は一概に言えない
水やりの頻度は、植物や野菜の種類・季節・天候などによって違ってくるので、正解がありません。
ですが土の色を見て、白っぽく変化していたら土が乾燥しているサイン。プランターの底から水が流れるくらいたっぷり、水をあげましょう。
水やりの時間帯は基本的に朝
朝のうちに水やりすることで、土の中の古い空気が抜け、新鮮な空気が入り、スムーズに光合成をおこなうことができます。
逆に、気温の下がり始める夕方や夜に水やりすると、ヒョロヒョロになったり、冬場には凍結の心配があります。
また夏の暑い日中に水やりすると、水滴がレンズのようになり葉焼けの原因にもなるので、基本的に水やりは朝の時間帯が一番です。
水やりするのは根元の土
たいていの植物は根元に水を与えるのが基本です。植物によっては葉からも水分を吸う場合もありますが、野菜の場合は必要ありません。
また水やりするときは、泥がはねて果実や葉に付着しないよう注意しましょう。
水道水なら太陽光に当てて塩素を除去するのが理想的
水道水は、原水となる河川や湖の水に含まれる微生物を殺菌するため、塩素消毒が行われます。そして、家庭の蛇口から出る水にも安全を保持するために、およそ1ℓあたり0.1ml~1.0ml以下の塩素が含まれています。
そのため、水道水をそのまま植物の水やりに使うと、土の中の微生物やミネラルバランスを壊す可能性があり、結果として植物にダメージを与えるかもしれません。
植物へ水やりするこの場合、「6時間ほど太陽光に当てて塩素を除去」してからが理想的。
また、不純物を含まない雨水も水やりに使えます。
あるいは浄水器の水なら、塩素が除去されてるので◎
一方、「お米のとぎ汁が植物良い」と言われますが、栄養素が含まれる分、カビや菌が増えるリスクがあるので、あまりお勧めできません。
まとめ
甘いトマトを作るには「乾燥気味」に育てると良いとされますが、家庭菜園では収穫することが目的なので、枯らさないよう成長段階に合わせて水やりを加減します。
又トマトは、枝葉を生長させながら実が次々になる野菜のため、肥料切れにも注意が必要。窒素・リン酸・カリウムをバランスよく与え、多収穫を目指しましょう。