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カボチャに雄花ばかりで雌花が咲かない原因は?対処法について解説!

新芽の画像 育てる

カボチャ栽培で「雄花ばかりになる」理由はおもに2つ。

【ウリ科の特徴】
カボチャは、はじめに雄花が咲き始めあとから雌花が咲き始める特性があり、ツルが2~3メートル伸びても雄花ばかり、雌花の数は少ないのが一般的。

【つるボケ】
肥料の効きすぎ・若苗を定植した・根付きが良すぎるなどが原因で「つるボケ」を起こし、雄花ばかり咲く。

どちらにしても、栽培途中で修正し雌花をつけさせ、実を収穫することは可能です。

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カボチャ(ウリ科)の特徴と対処法

かぼちゃの画像

カボチャは、品種や環境によって雄花と雌花の割合が違いますが、株が小さいうちは実をつける体力がないため雄花ばかり咲くのが一般的。

また、カボチャは体調に応じて、雄花と雌花に分かれますが、これは苗として定植したころに決定づけられるといわれます。なので、カボチャ栽培では定植前の苗管理と成長途中のツルの調整が大事です。

対処法①:苗は「短日・低温」で管理する

一般的にウリ類の雌花は、「短日・低温条件」が揃うと形成が促進されます。また、苗は小さいうちから、ツルの先につく花芽まですでに分化しています。

なので育苗中、夕方より早い時間に苗をシートで覆い、強制的に「短日・低温条件」を作ることで、早めに雌花が咲くようになります。

タイミングとしては、本葉が2~3枚になったころ、日中18~22℃、夜間8~12℃で変温管理するとよいでしょう。

対処法②:ツルを調整して雌花をつける

早い時期に雌花を咲かせせるには、伸びるツルを調整(摘芯)します。カボチャの場合、子ツルを4本だけ伸ばすのが一般的。

カボチャはわき芽に花をつけますが、このわき芽の成長は、ツルの先端の働き(頂芽優勢)によって左右されます。

なので、雌花を早く咲かせるには、親ツルの先端をカット(摘芯)し、わき芽の発達を促します。こうすることで、早いタイミングで子ツルに雌花がつきやすくなります。

【カボチャの花が咲くタイミング】

【日本カボチャの場合】
黒皮かぼちゃ・小菊かぼちゃ・バターナッツ・島かぼちゃ・万次郎かぼちゃなど

  1. 親ツル:7~8節に第1花、以後4節おきに着花
  2. 子ツル:4~5節に第1花、以後3~4節おきに着花

西洋カボチャの場合】
ほっこりえびす・えびす南瓜・坊ちゃんかぼちゃ・雪化粧南瓜・コリンキー・プッチィーニなど

  1. 親ツル:10~15節に第1花、以後5~6節おきに着花
  2. 子ツル:8~12節に第1花、以後4~8節おきに着花

これは一般的に言われることで、あくまでも目安としてです。

※「節」とは葉のつく部分。
※「着花」とは花をつけること。
※「着果」とは花が咲いて実をつけること



「つるボケ」の原因と対処法

葉っぱは青々と茂り元気が良いのに「雄花ばかりで雌花が咲かない」、これは『つるぼけ』と呼ばれる現象です。

『つるぼけ』になる原因は

  • 苗の段階で根付きがよく、初期生育が良すぎた
  • まだ若い苗を定植させた
  • 肥料が効きすぎている

などがあります。

元気が良すぎると体ばかりを太らせてしまい、子孫を残そうとしない傾向になり、雄花ばかり咲いて雌花がつきにくくなってしまうのです。カボチャは雄花と雌花を受粉させないと収穫できませんから、「元気が良すぎる」のはNGですよ。

つるぼけ現象の対処法

基本的には肥料の効きすぎが原因なことが多いため、少しストレスを与えるよう追肥をやめ、弱らせると『雌花』が咲くようになります。

他にも午後3時頃から日よけをすることで、日長を短くする方法もあります。

あるいは、根元から少し離れた地面にスコップを突き刺し、強引に根を切るのも一つの手段ですよ。

雌花ばかりになることもある

かぼちゃ・雌花の画像

まれに、雌花ばかりになることもありますが、その原因は

  • 定植のタイミングが遅れた
  • 育苗中、ポットが小さすぎた
  • 双葉が落ちてしまったり、葉の色が脱色するほど苗の健康状態が悪かった

などが考えられます。これは、カボチャの成長に影響が出るほどのストレスがかかった状態。

植物はストレスがたまりすぎると、生殖本脳が強く働き種(シュ)を残そうとして、雌花ばかりをつけることになります。

雄花ばかりの対処法は?

リン酸・カリウムが多く配合された肥料(一般的にPK肥料と呼ばれるもの)を与え、余分な雌花を摘み取り、草勢を回復させていきましょう。

植物にカリウムの吸収が増えると、発根が促進され根から養分や水分を吸収し、植物のストレスが軽減されます。

また余分な雌花を摘み取ることで、植物体への負担が軽減され、雄花がつきやすい環境になります。

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1株より複数株で栽培すると受粉しやすい

カボチャは1株だけで育てるより、複数苗を一緒に育てると良いとされます。

カボチャには色々な品種があり、苗によって性格が違います。雄花ばかりで雌花が咲かない、逆に雌花が連続し、雄花が咲かない苗があるかもしれません。

そんな時、同じ品種が数株あれば、互いに受粉して収穫を増やすことができるからです。

収穫は交配時期の「健康状態」が大事

カボチャは丈夫で栽培も容易な野菜ですが、確実に収穫できるかどうかは、交配時期の健康状態、『草勢(株の勢い)』に左右されます。

草勢の見分け方

【理想的な状態】

  1. ツルの先がほんの少し持ち上がっているくらい
  2. 葉の色は、濃すぎず薄すぎず明るい緑色
  3. 雌花周辺の葉の長さは25cm程度

【良くない状態】

  1. ツル先が寝ている(元気がない)
  2. ツル先が高く持ち上がっている(元気が良すぎる)
  3. 葉っぱが大きすぎたり色が濃い
  4. 茎が太い

対処法

1番のツル先が寝ている場合は、元気がない状態。すぐに追肥をして栄養補給してあげましょう。

2~4番は肥料が効き過ぎによる「過繁茂」の状態。

「過繁茂」とは、茎葉が茂りすぎて着果や果実の肥大を阻げ、さらに風通しが悪くなり病虫害の被害が増大する。

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カボチャは果実を大きくするため、必要な葉数を確保した頃の2番めか3番目の雌花に、人工授精して着果させるのが基本ですが、過繁茂になると着果しなことがあります。

だいたい4~5節ごとに雌花がつくので、欠かさず人工授精して着果節までの孫ツルは摘み取るようにしましょう。

カボチャは着果すると過繁茂が収まるので、このタイミングで追肥して、孫ツルたちは放任します。


まとめ

カボチャは成長初期に雄花ばかり咲き、雌花が一緒に咲くことはありません。

また、株の健康状態によっては「雄花ばかり」または、雌花ばかり」になることがあるので、同時に数株の苗を育てると収穫が増やせます。

さらに、実をつけるには人工授粉が欠かせませんが、花は1日でしぼんでしまうため、毎朝(日が高くなる前の早朝)には「雄花と雌花」をチェックしましょう。

カボチャのツルが伸び始めたら、根元に『敷わら』をしておくと、ツルから出るヒゲがわらに巻き付き、地面に固定されるため風雨に強くなり、土の乾燥や泥はね予防に役立ちます。

また場所が狭い場合は、トンネル型の支柱にネットをかけて、伸びたツルを誘引するのも良いでしょう。

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