オクラの発芽適温は18~25度に対し生育適温は25~30度と高いため、育苗ポットで芽が出ても移植の際、気温が低いと生育不良になります。
また、早い時期に種まきすると、寒さで生長のスピードが遅くなり、大きく育つ前に害虫被害に合いやすくもなります。
なので、ポットで育苗し移植する場合は、種まきタイミングが大切です。
また、苗が大きくなりアリが集まるのは、アブラムシが繁殖しているせいかもしれません。アブラムシが群がると、ウイルス病に感染する恐れもあるので、早めに退治しておきましょう。
ここではオクラ栽培の「育苗・移植・アリ」に関しての、原因と解決策を解説します。
オクラの育苗と移植の成功法
育苗ポットでオクラの苗を育てる場合、本葉が1~2枚の小さいうちに定植させるのポイント。
オクラはアフリカ北東部が原産地で、根がまっすぐ伸びる「直根タイプ」。ポットで苗を大きく育てると根が込み合って、傷んでしまうからです。
「種まきのタイミング」が大切
オクラは寒さに弱く、14度以下になると生育が鈍化します。一般的な種まきは4月下旬~5月ですが、品種によって違いがあるので、種袋にある種まきのタイミングをしっかり確認し適期を守りましょう。
種まきの手順は、1つのポットに4~5粒の種をまき、そのまま間引かずに移植します。オクラは密植すると、互いに助け合って水の吸い上げが良くなり、順調に育ちます。また、本葉が1~2枚の小さいうちに定植させるのがポイント。
オクラの生育は、はじめゆっくりで、本葉が5~6枚頃から急激に成長するので、上手に育苗・移植するには、小さい苗を、十分暖かくなってから植え替えられるよう、種まきタイミングが大切です。
オクラは直播きがおすすめ
オクラは、真っすぐ下へ根を伸ばすため移植は苦手。本来はポット育苗には向かない野菜です。中間地なら、5月15日以降に畑やプランターに直播きするのがおすすめです。
栽培手順
オクラの種はかたくて吸水しにくいため、あらかじめ種に軽く傷をつけておくとよいでしょう。
ビニール袋に種と砂を少し入れて揉み、表皮に傷をつけます。見た目には分からない程度の傷ですが、こうすることで発芽が良くなります。
- 15㎝間隔に、直径4~5cm・深さ1cmの穴を作る
- 1穴に3~4粒まとめて種をまく
- 軽く手で押さえて水やりする
- 発芽したらそのまま間引きせずに、密植しておくとよく育つ
オクラの種まきは、早すぎると寒さで成長が鈍化して、虫にやられることがあります。種袋をチェックして、種まき時期を守りましょう。
もし種まきのタイミングが合わなかったら、苗から育てるのも一つの手段ですよ。
オクラにアリが群がる原因と対処法
オクラの花ガク付け根あたりには、甘い蜜を出す「花外蜜腺」があり、そこにアリは群がります。
あるいは直射日光が当たらない、花の付け根や葉の裏側などにアブラムシが繁殖してると、アリがたくさん集まってきます。
ときには、アリがアブラムシを運んでくることもあり厄介な存在です。アブラムシによって吸汁されると、オクラの株は弱りウイルスに感染する恐れもあります。
見つけたら早いうちに、アリとアブラムシどちらも追い払っておきましょう。
アリの撃退法
アリ退治には、アリの警戒フェロモンに似た物質が含まれる、「ワカメの煮汁」が効果的です。
方法は
- ワカメのみそ汁を作る分量で煮汁を作る
- 冷めたら上澄みをオクラの株元にジョウロでかける
- 茎が水をはじくようなら、付着しやすいよう石けんを少し溶かして混ぜる
煮汁を作るのが面倒なら、乾燥ワカメを粉末にして根元にまいておけば、雨が降っても効果が持続して便利です。
アブラムシ退治にフノリ液
フノリとは海藻の一種で、みそ汁の具や刺身の「ツマ」などに使われるもの。一般的に、乾燥したものが売られてますね。
フノリ液の作り方と使い方
- 1~2ℓの水に対し、水で戻したフノリを一つまみ入れて煮る
- 煮汁がドロドロと強い粘り気が出てきたら、火を止め冷ます
- 汁のヌルヌルがなくなる手前まで水で薄める
- 付着しやすいよう、純石けんを軽く溶かして混ぜる
- スプレーボトルに入れ、晴れた日にアブラムシのいる葉や茎に吹き付ける
フノリ液が乾くと、アブラムシの気門(空気の取り込み口)がふさがれ、窒息して退治することができます。この時、アブラムシの天敵アブやテントウムシにかけないよう気をつけましょう。
まとめ
オクラの育苗と移植で気をつけるポイントは
- 品種に合った種まき適期を守る
- 小さい苗で移植する
- 間引きせずに密植で栽培する
- 育苗より直播きがおすすめ
また、苗が大きくなってアリが集まってきたら
- ワカメの煮汁でアリを寄せつけない
- アブラムシをフノリ液で退治する
こうすることで、たくさんのオクラが収穫できるので、ぜひ挑戦してみてください。