甘いカボチャを収穫するには、根が深く育つ環境を整えます。そうすることで土中の養水分を良く吸収できるようになるからです。
また、カボチャの実が付いた先のツルには、葉が10枚以上展開するように育てると、甘い実に育ちます。
「甘いはずの品種」を育てても、育て方によっては糖度が上がらないので参考にしてみてください。
おしゃれなカボチャ栽培に
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カボチャの甘味は根の成長と葉数で決まる
カボチャの甘みは、炭水化物によるもの。なので、実に炭水化物が豊富に含まれるよう育てる環境が必要で、土づくりがポイント。
市販の野菜用の培養土を利用してもいいですし、土を自作するなら、赤玉土:腐葉土:バーミキュライト=6:3:1で配合し、苦土石灰を規定量混ぜておきます。
つるボケしないよう、「窒素少なめ・リン酸多め」と覚えておいてください。
根を深く育てる
カボチャの育て方はいろいろありますが、ここでは基本的な栽培方法を解説します。
- 苗は、株間60~90㎝開けて植える
✅鉢植えの場合、直径30㎝以上の鉢に1株が目安 - 本葉が5~6枚展開したら、親ツルをカットして子ツルを3~4本のみ伸ばす
✅鉢植えの場合は、タワー式に支柱を立てらせん状にツルを絡ませる - ツルが50㎝以上伸びてきたら、同じ方向に誘引する
- 直植えの場合は、ワラや枯草を敷いておく※
※カボチャの根は、ツルと同じ方向にツルより少し遅れて伸び始めます。なので、株元からツルの伸びる方向にワラや枯草を、地表が見えない程度に薄く敷いておくとよいでしょう。
ワラを厚く敷いてしまうと、地表の水分が適度に保たれるので、かぼちゃは土と敷きワラの間に浅く根を伸ばしてしまいます。
次第に敷きワラの間から雑草が生えてきますが、これは取り除かずそのままにします。そうすることで、カボチャは敷きワラや雑草にヒゲを絡ませ、地表に固定され風雨に強くなります。
味が薄く甘くないカボチャは、天候の影響や病害虫の発生が原因のため、環境づくりは大切です。
葉の枚数を多くする
カボチャの甘みの素となる炭水化物は、葉で作られ葉から根元に近い位置の実に送られます。なので、実がついた先の葉数が多いと、その分多くの炭水化物がつくられ甘いカボチャになります。
- カボチャのツルが伸びてくると、孫ツルに雌花が開花するので、2個の雌花に雄花の花粉を人工授精させる
- 受精が成功したら、その先に葉が10枚以上展開するように育てる
- 葉が15枚以上あれば、そのまま2個を残す、葉数が少なければ実を1個だけにする
葉数が少ないと、炭水化物の供給量が減るので、水っぽく味の薄いカボチャになります。また、株もと(葉が5枚以下の部分)に実がなると、ツルの成長が悪くなるので早めに摘果(摘み取る)しておきましょう。
肥料で葉と実を肥えさせる
定植したカボチャは、2回の追肥が必要。
1回目は、カボチャの実がこぶし大サイズになったころを目安に、株元を避けてリン酸を中心とし他肥料を施します。
2回目はその1か月後、2個目の実が着いたタイミングで、1回目と同量の肥料を施し、葉と実を肥えさせます。
涼しくなると甘くなる
夏に収穫するカボチャは、実が軽く甘みが少ない傾向です。
というのも、夏は夜間も気温が高いため、日中作られた炭水化物をカボチャ自身が消化してしまうからです。
一方、秋になって気温が低下してくると、夜間カボチャ自身が消化する炭水化物の量が少なくなり、その分甘みが増します。
なので甘いカボチャを育てるには、昼夜気温が高い真夏の時期を避け、秋に収穫できる品種を選ぶと良いでしょう。
ただし、昼夜の温度差がある地域なら、真夏でも甘いカボチャを育てることは可能です。だから、北海道産の夏カボチャは甘いんですね。
まとめ
カボチャを甘くするには、根を深く育て実のついた先のツルに葉っぱをたくさんつけることがポイント。そうすることで、実に養水分が吸収され、甘みのもとになる炭水化物が作られます。
ただしカボチャ栽培はある程度の面積が必要。また、プランターで育てる場合は、ツルを伸ばすための支柱を立てるなど工夫しないといけませんね。
ですが、実の小さい品種などを選べば、プランターでも十分に育てることができるので、ぜひ挑戦してみてください。