えんどう豆の種まきは春と秋、食べ頃は3月~7月です。
なので旬を迎えた3月~4月に芽が出たえんどう豆(グリンピース)は、土に植えても育ちますが、それ以降は気温が高くなってうまく育ちません。
ここでは、えんどう豆(グリンピース)から芽が出たら、そのまま育てる事ができるか?を詳しく解説します。
グリンピースは、さやが緑色の未熟なうちに収穫したもの。豆ごはんや炒め物、シューマイなどの材料として日常的に使われることが多いです。
一方、えんどう豆は完熟した(さやが茶色く硬くなってから収穫した)もので、食用としてはみつ豆や豆大福、うぐいす餡の材料として使われます。
なので、自然な状態で芽が出るのは「グリンピース」なんですね。
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えんどう豆(グリンピース)から芽が出たら時期によっては育てられる
えんどう豆は涼しい気候を好み、生育の適温は15℃~20℃前後です。暑さは苦手な反面低温に強く、寒さに当たることで花芽がついて、収穫できるようになります。
なので、食べ頃を迎えたえんどう豆(正しくはグリンピース)から芽が出て、土に植えるなら3月~4月までが限界。それ以降は気温が高くなるのでうまく育たないか、育ったとしても多くの収穫は見込めません。
一般的なえんどう豆の栽培スケジュールはこんな感じ
種まきの時期 | 収穫期 | |
冷涼地 | 3月~5月下旬 7月 | 6~8月上旬 8月下旬~10月上旬 |
中間地 | 2月~3月中旬 10月~11月 | 5月~7月上旬 4月中旬~7月上旬 |
暖地 | 11月 | 3月下旬~5月 |
えんどう豆は春先になると成長が盛んになり、土からの養分でグングンとツルが伸び始めます。せっかく芽が出たえんどう豆、タイミングが合わなかったとしても、とりあえず植えてみるのもよいでしょう。
芽が出たえんどう豆(グリンピース)の育て方
秋に種まきしたえんどう豆(グリンピース)は、春に間引きをして30cmほどの株間を空けて植えつけます。
すでに芽が出ているなら、プランターに野菜づくり専用の培養土を入れ、そのまま株間30cmを目安に植え付けましょう。
同時に支柱を立てて、ツルを這わせるネットを準備。しばらく様子を見て、花がつき始めたら追肥を施しておきます。
花が咲き終わると豆の入ったさやがふくらみ始め、5月~6月頃が収穫期。
開花後約1ヵ月、さやの光沢がなくなり実がふっくらとしてきたら、軸の付け根からポキッと摘み取ります。ちなみに、花が咲いてから約15日ほど、うっすら豆ができた頃に『さやえんどう』として収穫してもよいでしょう※。
※えんどう豆は2つの種類に分類されます。
- 硬莢種(こうきょうしゅ)
グリンピース・えんどう豆など - 軟莢種(なんきょうしゅ)
さやえんどう・スナップエンドウなど
今回は『芽が出たえんどう豆(グリンピース)』を育てて収穫しているので、早採りしたからといって「さやえんどう」というわけではありませんね。(厳密には品種が違います)
単に、実が小さくさやが硬くなる前に収穫すると、「さやえんどう」のように食べれるということです。
えんどう豆とは、「マメ科エンドウ属」に分類され、栽培的・図鑑的な視点で使われることが多く、一般的に食べられてる豆は「グリンピース」。
なかには、「さやえんどう」⇒「えんどう豆(グリンピース)」⇒「スナップエンドウ」へ成長すると勘違いしてる人もいるようですが、それぞれ品種が違います。
とはいえ、育て方はすべて一緒で、収穫するタイミングが違うだけ。では次に、市販されてる種から育てる方法をご紹介します。
花もかわいいえんどう豆の育て方
マメ科の植物はツル性が一般的ですが、ツルがなく草丈が50~70cmほどの「つるなしエンドウ」もあります。ツルが伸びない分収穫量は少ないですが、プランターでも育てやすいのでお勧めです。
また、種まきは「早すぎず、遅すぎない」ようにまくのがポイント。
苗の時期に寒さに当てることで、花が咲き実をつけますが、小さすぎると寒さに耐えられず、育ち過ぎると新芽が傷んでしまいます。本葉が5~6枚で冬を越すのが理想的。
つるなしエンドウをプランターで栽培する方法
【準備するもの】
- タネ(えんどう豆に限らず、さやえんどう・スナップエンドウなどでもOK)
- 野菜づくり専用の培養土
- プランター(深さ20cm以上、幅60㎝以上、2~3株が目安)
- 支柱とネット
【栽培方法】
- マメ類は鳥の被害を受けやすいため、ポットで苗を育てる
- 育苗ポットに土を入れ3cmほどの穴に種を3~4粒まく
- 土を2cmほどかけ、たっぷり水やり
- 芽が出て本葉が1~2枚になったら、1~2本にする
- 約30日、本葉が3~4枚になったらプランターへ植え替える
- プランターの底に軽石を敷き、苗より一回り大きな穴を掘って苗を置き土を寄せる
- 冬の間、霜に当たらないよう株の上にワラを被せたり、不織布などで防寒対策する
- 追肥は、プランターに植え替えの時、花が咲く前、さらに1か月後に施す
(品種にもよるので、種袋に書かれてる栽培方法を確認してください) - 支柱を立てネットをはる
(ツルなし品種では必要ありませんが、あった方が安定する) - 春になると急に成長が進み、花が咲いていよいよ収穫
【品種ごとの収穫目安】
さやえんどうは開花からおよそ15日、さやが十分成長したころに収穫します。
スナップエンドウは開花から約20~25日、さやが丸々と太り鮮やかな緑色になったら収穫。
グリンピースは開花から約1ヵ月、さやの光沢がなくなり丸々とふくらんだら収穫します。
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えんどう豆・グリンピース・さやえんどう・スナップエンドウ・豆苗の違い
ここで一度、マメ科・エンドウ属の仲間、えんどう豆・グリンピース・さやえんどう・スナップエンドウ・豆苗を整理したいと思います。
食べ方 | 品種 |
芽を食べる | 豆苗 |
さやごと食べる (軟莢種) | さやえんどう スナップエンドウなど |
マメ(実)を食べる (硬莢種) | グリンピース うぐいす豆・黒豆など |
えんどう豆にはいろんな種類があり、一般的に食べられているのはグリンピース。えんどう豆はそのままより、みつ豆や豆大福、餡や甘納豆などに加工されたものを食べることが多いですね。
また、スーパーで見かける豆苗もマメ科エンドウ属の一種。
豆類を育てる際、種は1つの穴に3~4粒ずつまいて間引きします。この間引きした苗が、スーパーで売られてる「豆苗」と一緒なんですね。ちなみに、成長が盛んなころの若い茎葉も、豆苗として食べることができるんですよ。
それでは次に、「食べ終わった豆苗を土に植えたらどうなるか?」をご紹介します。
豆苗を土に植えたらどうなる?
一度食べ終わった豆苗でも、土に植えると大きく育ち実をつけますが、必ずしも成功するとは限りません。
なぜなら、日本で栽培されてる豆苗は1990年代半ばから、水耕栽培で安定して生産できるよう品種改良されているからです。
とはいえ、豆苗だってエンドウ属の仲間、うまくいけば花が咲き実をつけることもあります。
豆苗をプランターで育てる方法
植えつける季節は春がおすすめ。
豆苗として一度収穫しているので、種への負担を考え暖かな気候で、一気に育てるのが良いでしょう。
【準備するもの】
- 食べ終わった豆苗
- 大きめのプランター(深さ20cm、幅60㎝)
- 野菜専用の培養土・底石
- 支柱とネット
【栽培方法】
- プランターに底石を敷きつめ、培養土を入れる
- 苗が埋まるくらいの溝を作り、2~4分割した苗を植える
- 支柱とネットをセットする
- 植え付けから1週間ほど様子を見て、うまく根付いたら水やり代わりに液体肥料を与える
- ツルが込み合ってきたら、根元から伸びる「親ヅル」と親ヅルから伸びる「子ヅル」だけ残し、子ヅルから伸びる「孫ヅル」を早めにカット
- 花が咲き実が付いたら収穫!
まとめ
えんどう豆(グリンピース)は、放置すると中の実から芽が出ることがあり、そのまま土に植えて栽培することができます。ただし、暑さに弱いため植えるなら4月頃まで。
また、食べ終わった豆苗も水に浸けるリボべジだけでなく、土耕栽培も可能。植え付けは暖かい気候の間に済ませ、一気に育てるのがおすすめですが、多くの収穫は見込めません。
一般的にえんどう豆を種から栽培すると、収穫までおよそ半年かかります。が、冬の間はほとんど世話をすることがないので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか?