オクラは、花が咲き受粉すると健全な子孫を残そうとして、養分を実に集中させます。
この時、競合が少ない1本立ちで育てると、光エネルギー・養分・水分を独り占めにできるため、株の勢いが強くなりすぎ、葉で作られた養分を優先的に実に回して早く熟そうとします。
これが「登熟」と呼ばれる現象で、オクラの実が固くなる原因です。
ではどうしたら、オクラの実を美味しく育て収穫できるか?解説します。
オクラがおいしくなる育て方
オクラは、未熟な実を食用にするので未熟なままになるよう、4本立ちにして栄養競合を生じさせ、オクラの樹勢いを弱くして育てます。
種まき~定植まで
通常オクラは1株ごとに栽培しますが、株の勢いを弱くするため4本立ちに仕上がるよう、種まき~定植します。
大きめのプランター(横60㎝程度)を用意し、中央に2穴、各2粒ずつの種をまき、芽が出た後も間引きせずそのまま育てます。
苗を購入した場合、ポットに4~5本の株立ちで販売されているので、そのまま植えつけます。
複数の株で栽培されたオクラは、光や養水分を取り合いますが、互いに競い合って根を深く伸ばし、結果的にすべての株の養水分の吸収が良くなる、相乗効果があります。
収穫量を減らさないポイント
オクラは節ごとに花を咲かせ実をつけるので、節の数で収穫量が決まります。4本立ちで栽培すると、込み合って成長するため、1本立ちに比べると節と節の間が長くなり、収穫量が少なくなる傾向があります。
そこで、実の数を減らさないため、特に生育初期に徒長(茎が細く葉と葉の間隔が長く伸びた状態)しないよう、元肥を少なくして追肥中心の肥料管理が大事。
1回目の追肥は、はじめて実を収穫するころ、チッソ成分を十分に施します。その後、10~15日を目安に速攻性のある液肥などを与えていきます。
開花位置より上に、3枚以上の葉が開いていれば、順調な生育状態といえます。
また、狭い場所で4株が成長するため、葉が込み合わないよう、株の外側に葉茎がのびるよう株を広げます。さらに、収穫が終わった節の下の葉はこまめに摘み取り、風通しを良くしておきましょう。
オクラは暑さと乾燥に強い野菜ですが、水分が不足すると発育が遅れ、硬くなる傾向があります。梅雨が明けた盛夏期には、特に水切れに注意しましょう。
通常、開花してから7~10日目が食べ頃になるオクラですが、4本立ちの場合は収穫が1~2日遅れても、柔らかいままの実を収穫することができます。
4本立ちにするメリット
1本立ちでオクラを育てると茎は固くなり、直接風の影響を受けやすく、強風に弱い傾向があります。
一方、4本立ちにすると茎は細く風にな魚籠ため、強風にあおられても柔軟にしなり、かえって強くなるのです。なので、風の強い場所や台風の通り道では、防風対策にも応用することができます。
まとめ
オクラは、1株で栽培するより複数株で育てると、実が固くなりにくく、収穫期間を長くすることができます。
そのためには、元肥を控えめにして追肥を中心に育て、盛夏期には水切れに注意する必要があります。
オクラは花もきれいな野菜、是非挑戦してみてください。