野菜の中でもニラ・三つ葉・シソは、手間をかけず放置しても育ち、一度植えれば2~3年は同じ場所で収穫できます。
また、ワケギやモロヘイヤは使う分だけ収穫すると、後から葉が再生して便利ですよ。
ただし、どの野菜も最低限の作業(水やり・肥料・間引き)は必要です。では早速、放置しても育つ野菜と育て方をご紹介します。
放置しても育つ野菜、優秀なのはニラ
ニラは3月に種をまくと、1年目は8月中旬~10月頃まで、2年目以降は6月~10月頃まで収穫できます。
ただし、1年目はあまり収穫せずに、9月~隔週で3回ほど肥料を与えておくと、翌年の春以降から何度も収穫できます。
ニラの栽培方法
3月に種から栽培するのが一般的です。
- 種をまく場所が決まったら溝を作り、1cm間隔に種をまいて5㎜ほど土を被せる
- 本格的にニラ栽培するなら、草丈が20㎝ほどに成長したころ植え替える
- この時、1か所に3~5本ずつ・30cm間隔に植え付け、成長するたびに土を被せ土寄せする
- ただし、1年目は種をまいたらそのまま放置して9月に肥料を与え、冬に葉が枯れたら刈り取って、来年の収穫を目指しましょう
2年目以降は少しだけ手をかけて
- 5~6月頃、草丈が30cmほどに伸びたら葉の部分だけを刈り取り収穫
- 刈り取ったら小さじ1杯の肥料か、水やり代わりに液体肥料を与える
(こうすることで次々と葉が再生します) - 夏になると花茎が出てくるので、つぼみのうちに摘んでおく
- ニラは、数年植え続けると土の中で込み合い葉が細くなるので、3年を目安に株分けして(3~5株ずつ)植え替える
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三つ葉は放置すると雑草化するほど育つ
三つ葉は、日本原産野菜なので放置しても育てやすく、真冬以外は種まき可能。
春(3月下旬~6月上旬)に種をまくと、初夏には花が咲き、放っておくと種が落ちて雑草化することもあります。
お正月に三つ葉を使うなら、9月に種まきすると年末から収穫できますよ。
三つ葉の育て方
三つ葉は密集させて育てると、茎が柔らかく美味しく育ちますが、あまり密になりすぎるのもよくありません。
また日当たりを調整するので、移動できるプランターか鉢植えがおすすめです。
【栽培手順】
- プランターや鉢に培養土を8分目まで入れる
- 割りばしなどを使って深さ5㎜の溝を作り、1cm間隔に種まき
- 軽く土をかぶせ手のひらで押さえておく
- 種が水の勢いで出ないよう、やさしく水やり
- 芽が出るまで(およそ10日~2週間)水は切らさないようにし
- 芽が出揃ったら込み合ってるとこだけ間引きし、あとは土の表面が乾かないよう水やり
収穫のタイミング
収穫までの目安は、春・秋まきで50~60日。
草丈が15cmくらいになったら、根元を5cmほど残して切り取ると、あとから新芽が出てきます。また、株の外側から少しずつ葉を摘み取ると、新芽の成長が早くなります。
摘み取ったら週1程度、薄めた液体肥料を与えると長く収穫できますよ。
三つ葉は霜に当たると茎の部分が枯れますが、春になると新芽と落ちた種の発芽も期待できるので、放置しても育ちます。
シソはこぼれ種で毎年育つ
放置しても十分収穫できますが、3~5節目で枝をカットしておくと、脇芽が伸びてさらに収穫量が増えます。
シソの育て方(青じそ)
シソは土が乾燥するとしおれ、葉が傷んで食べれなくなるので、水切れ注意。またシソの葉は、夏の強い日差しを浴びると硬くなるので、半日陰の場所が適しています。
【栽培手順】
シソが発芽するのは20℃以上、なので十分暖かくなった春(4月以降)に種まきすると良いでしょう。
- 植える場所が決まったら種を1~2cm間隔でばらまき、薄く土をかける
- 種が流れないようやさしく水やり
- 土が乾燥しないよう、濡れた新聞紙をかけておくと便利
- 双葉が開いたら1回目の間引きをし「芽ジソ」を収穫
- 本葉が3~4枚くらいになったら、2回目の間引き(若苗)
- 最終的に20㎝くらいの間隔に間引き、軽く肥料を施す
- シソの草丈が30cmほどになったら(根元から4~5節目)、頂上の葉をカットして脇芽を伸ばす
1回目の間引きで採れた「芽ジソ」は刺身のつまに使用され、カツオなどと相性が良いです。また2度目に間引きした若苗は、サラダやあえ物として食べれます。
大葉~穂シソ~実シソの収穫
【大葉の収穫】
シソの葉は、小さいうちに収穫すると成長が遅くなるので、草丈30cmくらいになったら、外側の大きめの葉から収穫していきます。
【穂シソ】
秋になるとつぼみをつけた花穂が伸び、花が半分くらい開花したタイミングで「穂シソ」として収穫します。シソは花がつくと葉が硬くなるので、「大葉」として長く収穫するなら、早めに花芽を摘み取っておきましょう。
【実シソ】
実シソは、穂先に花1、2個を残した頃に収穫します。
「穂シソ」は刺身のつまや天ぷらとして、「実シソ」はつくだ煮やしょうゆ漬けにするとおいしくいただけますよ。
収穫しきれなかった実は、枝ごと刈り取り陰干しして乾燥させると種がとれます。が、シソはこぼれ種でも翌年には十分芽が出るので、枯れるまで放置してそのまま処分しても良いでしょう。
ワケギは根元を残して収穫する
ワケギは種をつけないので球根から育てますが、根元を残して収穫すると葉が再生し、放置しても数回は収穫できます。
ワケギの育て方
ワケギは8月~9月に植え付けて、草丈が15㎝ほどに成長したら根を残して収穫、水やり代りに薄めた液体肥料を与えると20~30日で再生します。
【栽培手順と収穫】
- 深さ15㎝以上のプランターを用意し、培養土を8分目まで入れる
- ワケギの球根の頭が出るか出ない程度に、株間を15㎝開けて植え付け、たっぷり水やり
- 草丈が20~30㎝ほどに伸びたら、根元を5㎝残して収穫
- 収穫したら肥料を施しておく
- ワケギの収穫が終わったら根元を残し、放置して球根を越せさせる
ワケギはずっと同じ場所に植えたままでも、育たないことはありません。ただ、株が込み合ってしまい次第に葉が細くなったり収穫量が減ってきます。
なので、5~6月には球根を一度掘り起こし、風通しの良いところで保存、8~9月にまた植え付けるとよいでしょう。
モロヘイヤは次々と収穫できる
モロヘイヤは、夏の時期に栽培しますが病害虫に強く自生力があり、育てやすい野菜です。
モロヘイヤの完熟したタネには、毒性の強い「ストロファンチジン」という成分が含まれます。絶対に食べることがないよう、幼児やペットが口にしないよう注意してください。
モロヘイヤの育て方~収穫まで
種まきは4月下旬~5月中旬、気温が十分高くなってからにします。
【栽培手順】
- 種は一晩、水につけておくと発芽しやすくなる
- 3号ポット(9㎝)に土を8分目まで入れ、3ヶ所にくぼみをつけ1粒ずつまく
- 薄く土をかぶせ、手のひらで軽く押さえて水やり
- 土が乾燥しないよう毎朝水やり
- 本葉が1~2枚のころ、1~2本に間引き
- 本葉が5~6枚になったら、株間を20㎝ほどあけて定植する
- 草丈が30㎝になったら、枝野先端を摘み取りわき目を伸ばす
【収穫】
- 草丈が50~60㎝になる7月頃から収穫開始、葉先の15~20㎝くらいの柔らかい部分を摘み取る
- 収穫が始まったら20~25日間隔で追肥する
- 秋になり黄色い花が咲き始めたら収穫終了
《ダイエットにスムージー》
モロヘイヤには、便秘改善に役立つ食物繊維が豊富で、ぬめり成分には腸内環境を整える働きがあります。また、ビタミンB2はホウレン草の約2倍含まれていて、疲労回復やダイエットにも有効的、毎日続けるなら、簡単に作れるスムージーがおすすめですよ。
【材料・1人分】
モロヘイヤ3本・バナナ大1/2本・グレープフルーツ1房・水100ml
【作り方】
・バナナとグレープフルーツは適当な大きさにカット
・モロヘイヤも・モロヘイヤもザックリとした千切り
・すべての材料をブレンダーに入れ全体に混ざったら完成
あると便利なパセリ
パセリは、暑さ寒さに強い野菜ですが、種は15~20度の機構を好むため、春(3月中旬から4月中旬)に種まきするのがおすすめです。
【栽培手順】
- 育苗ポットやセルトレイに4~5粒ずつタネをまく
※パセリは発芽率が悪いので、たくさんまいておきましょう - 本葉が1~2枚の時、込み合った部分を間引き
- 本葉が5~6枚になったら、プランターなどに15㎝間隔で定植する
パセリは、夏から秋にかけて花芽をつけるので、見つけたらこまめに摘み取っておくと長く収穫できます。
春から育てたパセリは、秋に収穫が終わり、品種によって多年草化したり、そのまま枯れることもあります。
まとめ
春から夏にかけては、気温が高く放置しても野菜が育ちやすい季節です。
上記の野菜以外にも、キュウリやナス・ミニトマト・ピーマンなどは、少しのお手入れで育てやすいので、ぜひ挑戦してみてください。
プランター栽培の場合、水切れを起こしやすいので、土が乾かない程度の水やりと、栽培期間が長いものは追肥を施しましょう。
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