エンジェルエイト(天使のいちご)は、四季なりいちごなので、秋に植えると翌年の4月~11月頃、また春に植えると、その年の7月から11月まで収穫が見込めます。
実が白くても育て方は一般的ないちごと同じ、ですが収穫サインは表面の種が赤く色づいたころになります。
エンジェルエイトの苗は、ホームセンターでは3月上旬~4月下旬、または9月下旬~10月下旬頃に出回るのが一般的です。
エンジェルエイト(天使のいちご)の育て方
エンジェルエイトは四季なりですが、寒い冬(15℃以下)には成長が一時的に止まります。また、真夏の暑い時期(30℃以上)にも開花・収穫が一時的にお休みとなることがあります。
ここでは、プランターで育てる場合をご紹介します。
準備するもの
- エンジェルエイト(天使のいちご)の苗
- 野菜用の培養土(できればイチゴ用)
- 深さ20cm程度、浅めのプランター(1株あたり直径30㎝程度)
- マルチング資材(ウッドチップやワラなど)
植え付けスタート
- 購入した苗にはあらかじめたっぷり水やりしておく
- プランターに培養土を入れ、ポットと同じ大きさ・深さの穴をあける
- 根っこ部分を崩さないよう、苗をそのまま植えつける
- 植え付けたら、苗の周囲の土をおさえてなじませる
いちご専用・肥料入りの培養土を使うと1年は追肥不要
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マルチングする
マルチングの役目は、「土の保湿・保温」、「病気予防」、またイチゴの実がなったとき、土に触れるのを防ぐ働きがあります。
- 春夏には:ウッドチップ、コルク、敷きワラなど(保湿効果があるもの)
- 秋冬には:敷きワラや黒のビニールなど(保温効果があるもの)
いちごは寒さに強い植物ですが、霜に当たったり雪に埋もれると枯れることがあります。寒さが厳しいときは苗の保温に注意が必要。
育てる・水やり
- まず、植え付け直後は根が広く張るよう、苗の様子を見ながら水やりを控える
- 土が乾いたら朝のうちにたっぷり、底から流れるくらい水を与える
摘み取り
植え付けからしばらくすると、株元の葉が枯れることがあります。古くなった葉は病気の原因にもなるので、見つけ次第摘み取っていきましょう。
植え付け後1か月間についた花は、株を充実させるため摘み取ります。
また秋から冬にかけて咲く花も、気温が低く実にならないので、摘み取るようにします。
着果を促す人工授粉
- エンジェルエイトに花が咲き始めたら、絵筆や綿棒を使って受粉する
(人工授粉することで、形の良いイチゴができる) - 授粉の仕方は、花びらに沿って筆の先を回しながらやさしく撫でるように
- 人工授粉は晴れた日・朝9時ごろまでにする
- それでも形が悪かったり大きくなりそうにない実は、残りの実を充実させるため、早めに摘み取る
(花が咲いたとき、小さい花を摘み取るのも1つの手段)
いよいよ収穫!
エンジェルエイトの収穫は、実がふっくらして表面の種が赤くなった頃。開花後30~40日ごろを目安に、ヘタが反り返ったら収穫適期です。
追肥のタイミング
春植えの場合、1回目の収穫が終了したら3週間に1回、少量の肥料を与えます。
秋植なら新しい葉が伸び始める3月に1回、その後1回目の収穫終了後、さらに3週間ごとに1回肥料を与えます。肥料が不足すると実が大きくならないので、収穫前にこまめに少量づつ与えます。
四季なりいちごは、こまめに追肥しないと株が疲れやすくなるので手間がかかりますが、その分甘くなりやすいです。
夏と冬の管理
【夏の間】
いちごは夏の暑さに弱く、30℃を超えると実をつけにくくなります。なので涼しい場所、半日陰に移動させると良いでしょう。
特にコンクリートの上では土が高温になりやすいため、プランターの下にすのこやレンガを置くのがおすすめ。
また、枯葉は蒸れの原因になるのでこまめに取り除くようにします。
【冬の間】
いちごは冬の寒さには強いですが、氷点下になるころには対策が必要。株元にワラなどを敷いて保温し、水や肥料は控えめにします。
いちごを甘く&大きく育てる方法
エンジェルエイトは、家庭園芸用に開発された育てやすい白いちごです。せっかくですから、甘くて大きい実を収穫したいですね。
実を甘くする育て方
実にしっかり栄養が届くことで甘くなります。
一番なのは、いちご専用の肥料を与える事ですが、他にも発酵油かす・骨粉・リン酸成分を含んだ有機肥料も効果的です。
ですが、窒素成分が多いと葉ばかりが茂ってしまうので、肥料のあげ過ぎには注意しましょう。
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実を大きく育てる方法
ポイントは3つあります。
- プランターに植える際、株間は30cm空ける
- 花が咲いたら人工授粉する
- 一枝につく実の数を少なくする
【株間は広めに】
エンジェルエイトの苗・1株なら直径30㎝の鉢で十分です。また一般的なプランター(横幅が65㎝・13ℓ)なら、3株が限界です。少し広すぎな気もしますが、大きな実をつけるには株間30cmを確保しましょう。
【人工授粉は欠かせない】
いちごの実はしっかり受粉できないと、実が小さかったり形や色が悪くなることがあります。
人工授粉の方法は「着果を促す人工授粉」で紹介してるので、参考にしてください。
【量より質】
いちごの苗にたくさん花が咲くと嬉しいですが、実を大きくするには花を摘み取る必要があります。すでに実になり始めていたら、小さい・形の悪いものを摘み取り、一枝に2~3個残すと大きく育ちますよ。
いちごは洗って食べる?
いちごは、『食べる直前にヘタをつけたまま、流水で洗って食べる』のが基本。
いちごは水分を吸収しやすく、水に触れただけで傷んでしまうほどデリケートな果物。また、洗う前にヘタを取ると、そこからビタミンCが流れ出てしまいます。
なので家庭菜園で収穫したいちご、美味しく食べるには「流水で洗って水気を切り、柔らかい布などで水分をふき取ってからヘタを取る」がイチバンです。
ちなみに、市販のいちごはどうでしょう?
基本的には一緒、『食べる直前にヘタをつけたまま、流水で洗って食べる』です。
ですが、いちごは栽培過程で病気にかかりやすく、害虫から実を守るため、出荷までにおよそ60回も農薬を使うと言われます。となると、「ほんとに水だけで大丈夫?」って心配になりますね。
農薬の使用に関しては、安全基準の定めに従い法律が厳守されているので、問題はないとのこと。
ですが、いちごに限らずスーパーで売られる野菜や果物は、どれも栽培の過程で農薬を使用します。また、生産方法や産地によっては、『展着剤』と呼ばれるものを使用する場合があります。
いちごの場合、種の部分に農薬が付着して残りやすいといわれ、他の野菜や果物も表面に凹凸がある部分は念入りに洗った方が良いでしょう。
また、いちごのように皮をむかずに食べる果物や、生で食べる野菜の場合は、専用の洗剤を使うのも一つの手段。
例えば「ホタテのおくりもの」という野菜専用洗剤。
ホタテの貝殻焼成カルシウムからできており、農作物の表面に付着した汚れや防腐剤を除去したり、キッチン周りの除菌・抗菌にも使えます。
また洗濯物の除菌や消臭、洗濯層の浄化や黒カビ防止、下駄箱などの除菌・消臭にも使える万能な洗剤ですよ。
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エンジェルエイト(天使のいちご)栽培・メリットとデメリット
白いイチゴは、品種改良中の突然変異が発端で誕生したと言われています。
エンジェルエイト(天使のいちご)を育てるメリット
1.希少品種の白いイチゴを収穫して食べれる!
近年イチゴの産地では、オリジナル品種の開発が盛んで、たくさんの種類が店頭に並ぶようになりました。それでも「白いイチゴ」は赤いイチゴに比べ、まだまだ種類が少ないです。
「エンジェルエイト(天使のいちご)」は、家庭菜園のために開発され厳選された品種なので、プランターでも栽培し易いいちごです。
しかも、白イチゴには珍しい「四季なり」なので、春から秋にかけて長い間収穫を楽しむことができます。
2.しかも買うより安価で実食できる!
季節によって出回る品種は違いますが、楽天で「白いイチゴ」を調べてみると、品種は「淡雪(あわゆき)」・小粒なMサイズ、540g入りで、2,786円(税込み・楽天市場で最安値)。
(ちなみに、「淡雪(あわゆき)」は、香りがよく中まで真っ白。糖度も13~15度と高く、酸味が少ないイチゴです。)
一方、エンジェルエイトの苗は?というと…同じく楽天で、1株539円(税込み)+送料。
味は、店頭に並ぶ白イチゴには及ばないかもしれませんが、収穫する楽しみがありますね。
栽培するデメリットは?
1.すぐには食べれない
エンジェルエイトの収穫は、秋に植えると翌年の5月~、春に植えても7月~。植え付けから食べれるまで早くて3~4ヵ月はかかります。
2.収穫量は…分からない
家庭菜園で1株当たり、どれくらいの収穫があるかは未知数・・・育てる環境によっては、数が少ないかもしれません。
エンジェルエイトは「四季なりイチゴ」ですが、冬の間は休眠期に入るので、花が咲いても収穫はできません。また、暑さが厳しい真夏にも一時的に開花が止まることがあります。(収穫できても、糖度が低いこともあります。)
まとめ
エンジェルエイト(天使のいちご)は、白イチゴの中でも育てやすく、甘さと酸味のバランスが良い四季成りのイチゴです。(糖度10~15度、酸度0.71~0.73)
収穫が終わるとイチゴ株からはランナーと呼ばれる小苗が伸び、毎年増やすことができます。イチゴ自体が多年生なので、上手に親株も育てれば、年を追うごとに収穫量を増やせます。
私たちが食べてるいちご、本当は”実”ではなく”茎の先端部分が肥大したもの(花托・かたく)なのです。
では、イチゴの実はどこかというと、私たちが”タネ”と思っている粒々であり、その中に種が入っています。
なので、しっかり受粉することでタネの数が増えて、実(本当は花托)が大きくなるということです。