人参の花は6月~8月頃に咲き、素揚げや天ぷらにして食べることができます。(咲き始めが食べ頃です)
一方、収穫しなかった人参に花が咲いた場合は、とう立ち(※)をして硬くなっているので、人参自体は食べることができません。
ちなみに、人参は冷蔵庫で保存しておけば、根っこや葉が生えることがあっても、花が咲くことはありません。(根っこや葉が生えても人参自体、腐るまで食べれます)
※「とう立ち」とは?
「サカタのタネ・園芸通信」より
「トウ」は花を咲かせる茎の意味で、花芽がついた茎が伸びた状態を「トウ立ち」といいます。植物は、温度や日長などの条件に感応して花芽ができるものと、一定の大きさに成長すると花芽ができる植物があります。
人参の花は食べられる、どんな味?
天ぷらにした方の感想によると、「しっかり人参の香りと苦みがあり、美味しい」とのことです。
人参は『セリ科』の野菜なので、葉の部分(こちらも食べれます)には独特な苦みがありますが、花には人参そのものと、葉の要素が含まれている味といえるでしょう。
人参の花は食用とされることがあり、一部の料理やサラダで利用されることもありますが、生で食べるより、高温でサッと揚げる天ぷらや素揚げがおすすめですよ。
とは言え、一般的に人参の花は流通してませんので、是非食べてみたい方はこちら(あんがとう農園)をご覧ください。
人参の花を食べるときの注意点
- 鮮度の良いものを選ぶ
- 食べる前によく洗い流し、土や虫などの異物を取り除く
- 農薬や化学物質を使用してないことを確認する
人参の花を生で食べることは可能でが、一般的に「可食部分」としての認識がないため、詳細な栄養素に関しては不明です。
花が咲いた人参は食べれない
収穫時期を過ぎ花が咲いた人参は、栄養が花に向かって流れてしまい、根や茎に供給されなくなります。そのため、人参自体が栄養不足となり、食用としての品質や味が低下してしまいます。
また、栄養の流れが変化することで、人参の根部分が堅くなったり、木質化したりすることもあり、食べてもおいしくありません。
一般的に人参は、花が咲く前に収穫される根菜野菜。花が咲いてからの人参は、収穫時期の適切さを考えても、食べるのは難しいでしょう。
ちなみに、花が咲いてしまった人参は食べれませんが、とう立ちして間もない頃、つまり花が咲く前なら(背丈として40cmくらいまで)、収穫して食べることは可能です。
冷蔵庫で保存すれば、花は咲かない
人参の花は6月~8月にかけて咲きます。この時期、日本の平均気温は23.2℃~29.1℃。(気象庁・データより)
冷蔵庫の野菜室は、約2~5℃に設定されているのが一般的。なので、人参を冷蔵庫で保存してれば、根っこや葉っぱは生えても、花が咲くことはありません。
冷蔵庫に保存した人参に根っこや葉っぱが生えるということは、「成長に必要な栄養素が残っている」証拠ですから、食べても問題ないといえます。
人参の花の色は?
冒頭の写真でも紹介しているように、人参は白いレースのような花が咲きます。
が、ある方のブログには『人参畑で黄色い花が咲いた』とか!(こちらの記事)突然変異でしょうか?植物にも不思議なことが起きるものですね。
不思議といえば、同じ種類の種から『白い人参ができる』こともあるようです。
これは、ごく稀に見られる「先祖返り」と呼ばれるもので、原種の特徴を持った人参ができることがあります。ちなみに「先祖返りの白い人参」は、食べれても美味しくはないとのこと。
レースフラワーとの違い
「レースフラワー」は、人参と同じせり科の植物で、5~6月に花を咲かせます。人参の花と似てますが、よく見ると違いますね。
レースフラワーの方は、花と花との間隔が空いているのが特徴で、一般的には白い花が咲きますが、ほかにもグーンの色味がある「グリーン・ミスト」という品種もあります。
まとめ
家庭菜園などで収穫しなかった人参は、6月~8月にかけて白い花を咲かせ、「人参の花」として食べることができます。
一方、土の中の人参は収穫しても、花が咲いてしまった後は、硬くなって食べることができません。もし、食べきれないほどの人参を栽培したときは、いったん収穫し冷蔵庫で保存すると良いでしょう。
その場合、人参は湿気に弱いため、1本1本新聞紙で包んであげると長持ちします。(葉っぱは切り落としておいた方が良いでしょう)
ちなみに、人参に多く含まれるβ-カロテンは、生の野菜から摂取するよりジュースなど、加工品として取り入れる方が吸収率が1.5倍にアップします。
さらに、人参の皮にもβ-カロテンや食物繊維など、栄養素がたくさん含まれているので、丸ごとミキサーにかけた人参ジュースがおすすめですよ。