ハイポネックスは原液なので、植物に合わせて250~2,000倍に薄めてから使います。この面倒な希釈ですが、空になった2ℓと500mlのペットボトル、そしてボトルのフタとスポイトを使うと簡単にできます。
基準通りに薄めたハイポネックスは、植物の定植・植え替え後2~3週経ってから与え始め、その後1週間に1回、水やり代わりに散布すると効果的です。
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ハイポネックスはペットボトルで簡単希釈
まずは、植物ごとの希釈倍率と散布の目安を確認しておきましょう。
植物の種類 | 倍率 | 頻度 |
庭植え植物 (花木・庭木・果樹・芝生) | 250倍 | 2週間に1回 |
草花・野菜・バラ 観葉植物・花壇・菜園 | 500倍 | 1週間に1回 |
鉢花・洋ラン・球根 花木・果樹・ハーブ | 1,000倍 | 1週間に1回 |
サボテン・東洋ラン・観音竹 山野草・盆栽 | 2,000倍 | 2週間に1回 |
上記の表を参考に、ペットボトル・フタ・スポイトを使って液体肥料を作っていきます。
ハイポネックスの薄め方
まずは1㎖を量りますが、ここで登場するのがペットボトルのフタとスポイト。ペットボトルのフタですが、内側を見ると丸い溝がありますね、ここが1mlゾーンです。
スポイトを使って、慎重にハイポネックスを丸い溝の中に入れていきましょう。これで1mlの計量が終わりました。
計量したハイポネックスをスポイトに吸い取ったら、スポイトに目印をつけておくと次回からペットボトルのフタは使わないですみます。
(ちなみに、ハイポネックスのキャップ1杯は20mlです)
次に、ハイポネックス1mlに対して水の量。
水の量 | 倍率 |
500ml・1/2本 | 250倍 |
500ml・1本 | 500倍 |
2リットル・1/2本 | 1000倍 |
2リットル・1本 | 2000倍 |
「ここまできちんと量って与えないといけないの?」と、疑問に感じるかもしれませんが、液体肥料に限らずどんな肥料でも、決められた量を守ることは大切です。
希釈濃度を濃くすると、植物を弱らせる原因になるので、必ず表記された希釈倍率を守りましょう。
【希釈濃度を間違えたときの対処法】
万が一、希釈濃度を濃くあるいは、原液で与えてしまった時は、鉢の底から水が流れ出てくるまで水やりを繰り返しましょう。小さい鉢なら、植物ごとシャワーをかけて肥料分を洗い流すとよいでしょう。
液体肥料の量は?
では液体肥料「どれくらい必要か?」迷うことがありますね。
例えば鉢植えなら、小さい鉢で100ml・中くらいの鉢なら200~300mlが適量。あとは鉢の数に合わせて用意すると良いでしょう。花壇・菜園には2~3ℓ/㎡が目安です。
例えば、500倍・1,000倍の液肥を2リットル用意する場合
500mlペットボトル | 2ℓルペットボトル | |
500倍 | ハイポネックス1ml×4本 | ハイポネックス4ml×1本 |
1,000倍 | × | ハイポネックス2ml×1本 |
希釈した液肥が残った場合、肥料成分が変化しやすくなっているため、できるだけ早く(約1週間程度)使い切るようにしましょう。そのままペットボトルに入れて放置すると、光が当たって藻が繁殖しやすくなります。
ハイポネックスの効果的な使い方
ハイポネックスは速効性があり、どんな植物にも希釈濃度を変えて使えるのが魅力的ですが、与え方を間違えると逆効果になることがあるので気をつけましょう。
鉢植えか地植えかによって多少、やり方が違います。
【鉢植えの場合】
液体肥料は株元に与えます。液肥の場合、速効性があるので根っこに触れるとすぐに効果を発揮します。なのでハイポネックスの希釈した液肥は、かならず株元(根本)に与えるようにしてください。
水やりのように葉にかけてしまうと、肥料の成分で葉にシミができたり弱ってしまうことがあるので避けましょう。
観葉植物などには、「葉専用」のハイポネックスもあります。
▼▼▼
ハイポネックス 専用 液肥 観葉植物 450ml
【地植えの場合】
庭や畑の場合、植物から少し離れたところに肥料を与えるのがポイントです。そうすることで、植物が養分を求めて根っこを伸ばし、元気に育つようになります。
液肥を与える頻度
水で薄めたハイポネックスは、基本的に1~2週間に1回程度、植え付け・植え替えた時は2~3週間後から与えます。
「植物に元気ない」と感じて液肥を与える方もいますが、液肥は植物の病気を直す”薬”ではありません。
元気がないと感じたら、まずは根の状態や水の過不足、日当たりや環境・温度が適してるかを確認してみましょう。
液肥は固形肥料より速効性があるため、間違ったタイミングで与えると、逆効果になり枯れてしまうこともあります。
次々と花を咲かせて疲れてきた時や、葉や茎の勢いがなくなってきた時に希釈した液肥を与えてみてください。
植物は肥料切れを起こすと、老化が進みます。それは、養分が不足すると成長が鈍り、子孫を残そうとしてタネを作って、一生を終えようとするからです。
肥料切れのサインとは、葉や花が小さくなる・葉色が薄くなる・下葉が枯れる・花数が減少する・新芽が伸びないなど。
根詰まりが原因で肥料切れを起こしているなら、植え替えるのがよい方法ですが、すぐに植え替えられないときは、水やり代わりに液体肥料を施しましょう。
液体肥料を与えるタイミング
希釈したハイポネックスは水やり前、土が乾燥しているときに与えると効果的です。※
液体肥料を水で薄める目的は、土にまんべんなく行き届かせるため。つまり、水やり代わりにたっぷりと与えるのがポイントです。
水やりの後では、肥料としての成分が流れてしまいます。また、雨上がりも同様、肥料効果がなくなるので避けた方が良いでしょう。
※液体肥料は希釈タイプとストレートタイプで、与えるタイミングが違います。希釈したハイポネックスは、水やり代わりに与えるため土が乾燥している時が効果的。逆にストレートタイプは、根っこに成分が届くよう水やりの後に与えます。
ハイポネックスの有効期限
肥料には”有効期限”が表示されてませんが、いつまで使えるのでしょうか?
15年前の原液ハイポネックスを分析しましたが、保証成分に問題はありませんでした。ただし、キャップが開いたままであったり、長い間、直射日光の当たるところに置いたりしているものは、成分が変化している可能性がありますのでご注意ください。
(ハイポネックスHPより)
つまり、使った後はキャップをしっかり閉め、高温や直射日光が当たる場所を避けて保管すれば、15年は使えるってことですね。開封日をボトルに明記しておくと便利です。
ボトルに入った原液は、極端に低温な場所で保管すると、液体の成分が結晶になることがあります。使用前にボトルをよく振り、ガラガラと音がするときはボトルをぬるま湯につけて、塊を溶かしてから使いましょう。
また、成分によっては沈殿することもあるので、希釈前にはボトルをよく振ってから使用してください。
ちなみに、ボトルの底部や裏ラベル下部に入ってる数字は「製造(生産)した年月」なので、有効期限ではありません。
ハイポネックスの希釈に便利なアイテム
ハイポネックスを希釈する時、原液の量さえ間違えなければ良いので、ジョウロの水量を把握しておくのも1つの手段。
写真のジョウロは1ℓサイズですから、ハイポネックス2mlで500倍、1mlなら1000倍の液体肥料が作れます。
タカギ・かんたん液肥希釈キット
「タカギ・かんたん液肥希釈キット」は、面倒な希釈と重いジョウロでの水やりを解消してくれる、ホース式シャワーキットです。
ハイポネックス原液のボトルをセットし、キット本体上部を取り付けるとホースが接続。切り替えレバーを「液肥」にして蛇口を開ければ、そのまま液肥の散布ができる仕組み。
ハイポネックスをそのまま使うと250倍の液肥ですが、付属の「希釈用空ボトル」を使えば、500倍・1000倍・2000倍に変更することもできます。
ハイポネックス・ストレートタイプ
「ハイポネックス ストレート液肥」は、そのまま薄めずいろんな植物に使える肥料です。
やり方は簡単、7~10日に1回薄めずそのまま根元に与えるだけ。水やりの後など土が湿っている状態に与えるのが効果的です。
使用量の目安は、鉢の直径9~12㎝でキャップ半分(約10ml)、15~18㎝でキャップ1杯(約20ml)です。
観葉植物に「Top Quality」
観葉植物に与える場合は、専用液肥「Top Quality」がおすすめです。
通常のハイポネックス原液とは配合が違い、葉面からも吸収されやすい即効性のある窒素が多く、葉色を濃く・鮮やかにしてくれます。
ハイポネックス・殺虫剤入り
ハイポネックスの殺虫剤入りは、アブラムシ類に有効な殺虫成分が配合されています。その成分は”ジノテフラン”のため、厄介なコバエ(キノコバエ)にも効果が期待できます。
ハイポネックスは野菜にも安全
ハイポネックスは、国の厳しい肥料登録基準をクリアーしている肥料なので、家庭菜園でも安心して使用できます。
また葉物野菜に肥料がかかっても、収穫後に水で洗い流せば落ちるので大丈夫。気になるようなら、液肥を与えて2~3日後に収穫すると良いでしょう。
家庭菜園では収穫することが目的なので、栽培途中に液肥や農薬・植物活性剤などを使うことがあります。どれも「使用時期」を守れば、作物に残留する心配はありませんが、もし気になる方は調理前に野菜用洗剤を使うと良いでしょう。
ホタテのおくりもの(1kg)は、天然素材100%の野菜用洗剤で、農作物の表面に付いた汚れや肥料の残留物をスッキリ除去してくれます。
野菜だけでなく、調理器具やまな板・シンクの除菌・抗菌作用もあり、洗濯物の除菌・消臭と洗濯層の浄化と黒カビ防止にも使えます。
肥料の役割とは?
ハイポネックスなどの液体肥料は、植物の成長に不足する養分を補給するものです。
植物が育つには、空気・光・温度・水などの要素に加え、土に含まれるチッソ・リン酸・カリウムなどが必要です。
”肥料の三要素”といわれるチッソ・リン酸・カリウムは、植物が成長するうえで多量に必要とされ、土に含まれてるだけでは不足しがちになり、その不足を補うのが肥料です。
植物に必要な三大栄養素は、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)で、植物によって必要な栄養素は異なります。
窒素は、葉や茎の成長に大切な成分で「葉肥」とも言われます。リン酸は、花や実を大きくする働きがあり「実肥」と呼ばれます。カリウムは根をしっかり育てる働きをするので「根肥」という呼び方をします。
肥料の種類は2種類
植物を育てるのに欠かせない肥料には、有機肥料と無機肥料の2種類があります。
【有機肥料とは】
油かす・米ぬか・魚粉・鶏糞・カキ殻など、動植物の有機物を原料にしており、種類によって含まれる栄養素が大きく違います。また有機肥料には即効性がなく、ゆっくり土壌を育てるため元肥に使われることがほとんどです。
【有機肥料と堆肥の違い】
それは「発酵している・していない」です。
有機肥料は、油かすや魚粉・骨粉などが原料で乾燥してますが、発酵はしてません。土壌に施されてから発酵し、作物に作用します。だから即効性がないんですね。
一方堆肥は、家畜の糞や落ち葉・草などを重ねて腐らせ発酵させたもので、肥料分を補うだけでなく、土壌を改良する役割もあります。
【無機(化学)肥料とは】
化学的に作られた合成肥料で、養分が単一なものや複数の養分が混ざったものがあります。匂いがなく即効性があるので、発芽後の追肥として使われるのが一般的。
肥料は植物によって使い分ける
例えば野菜の場合、それぞれ食べる部位が違うため、野菜に合った肥料を使い分けると良いでしょう。
【果菜類:トマト.キュウリ.ナス】
収穫期間が長いことから、肥料効果が長続きする遅効性肥料や緩効性肥料、チッソが含まれる有機肥料がおすすめ。
【葉物野菜:キャベツ.レタス】
チッソが多めに含まれる肥料と、光合成を促すマグネシウムが含まれているものを合わせて使うのがポイント。
【根菜類:大根.人参】
カリウムとチッソが多く含まれている肥料を使うと、大きく育ちます。
【ピーマンやカボチャ】
種のある野菜には、リン酸が多く含まれるものが合い、花肥を使うのもおすすめですよ。
肥料のメリットとデメリット
有機肥料は、原料が自然由来なので安心して使えますが、速効性はありません。また、臭いが強いので虫が付きやすく防虫対策が必要です。
一方、無機肥料には速効性があり、複合肥料ならバランスよく養分が配合されているので、初心者でも扱いやすいのがメリットです。その反面、使いすぎると土が固くなり、根菜類は小さくていびつな形になることもあります。
どちらの肥料も、適時・適量を守って与えるのが大切です。
まとめ
ハイポネックスは、植物にあった希釈濃度を守って、1~2週間に1回与えるのが基本です。
液体肥料は、病気を治す薬ではないので、植物に元気がないと感じたらまず、水の過不足・日当たり・風通し・水はけなど、環境を整え様子を見ましょう。
肥料は多く与えすぎると、栄養過多になって病気の原因になることもあります。大切なのは、必要な養分がバランスよく含まれた肥料を適時与えること。
ハイポネックスは、植物に必要な栄養素がバランスよく配合された使いやすい液体肥料なので、草花や野菜作りに慣れてない方でも、扱いやすいのでおすすめです。