日本人の平均寿命は、80年、90年、100年もすぐそこまでという勢いで延びており、親の介護も長引くことが予想できるので、頑張りすぎてはいけません。
今は一昔前のように、家族で親の介護をする時代ではありません。親も大事ですが、自分と自分の家族を最優先に考えましょう。
なぜ「頑張らない介護」が必要か?
親の介護が始まると、どうしても介護される方に目が向けられますが、介護する人の人生・日々の生活生活、家庭が一番大事です。
共倒れしないため
介護は子育てとは違い、時間がたつほど大変になります。
今まで出来ていたことが出来なくなり、認知が進むと妄想が酷くなり、怒りっぽくなることもあります。すると、はじめは一人でやれた介護も、次第に疲れ果て、精神的に追い詰められるようになるのです。
また、介護を理由に離職はできる限り避けるべき。
仕事と介護の両立は難しいものですが、介護離職すると経済的な面だけでなく、精神面や肉体面でも負担が増加します。
介護だけの生活は孤独ですし、経済的な不安から有料サービスを使わず自分だけで介護すると、精神的・肉体的に負担が増して、親子ともども共倒れの可能性があります。
また、離職してしまうと今度は、自分の老後資金が危うくなることもあります。介護が終わり働くといっても、高齢になってからの再就職はなかなか厳しいのが現実なのです。
精神的な危機
親の介護は「いつ終わるか分からない」という不安と、突然終了することで、頑張りすぎた人は精神的ダメージを受けることがあります。
どなたもご長寿になられ、その分介護も長引くため、親より自分が先にあの世に逝ってしまうのではないかと、不安に感じる人も少なくありません。
いつ終わるか分からない介護を続けていると、ふと「この親さえいなければ、私の人生楽なのに…、違った人生歩めたかもしれない」と思って虐待しかねません。
ある高齢者の虐待に関する調査によると、5人中4人、4人中3人は虐待をしたか、虐待をしようと思って首に手をかけたが、気づいてやめたとの結果があります。
「私は決して、虐待なんてしません」と断言できるでしょうか。人間は弱いものですから、親の介護を、頑張りすぎてはいけません。
あるいは、介護を頑張れば頑張るほど自分目線になり、「どうして親は、自分の頑張りを認めてくれないんだろう」と思うようになります。そして次第に、心の余裕がなくなり、キツイ口調になったり、冷たい態度をとってしまい、自己嫌悪に悩むこともあります。
さらに、親の介護を頑張りすぎると、自分の時間の中で、介護が占める割合が大きくなります。それでも、突然「親の死」によって強制終了すると、虚しさだけが残ります。
長い介護が終わりホッとした途端、目標がなくなってしまい、自分が痴呆症やうつ病になるという燃え尽き症候群になる人もいます。
知らないうちに、介護に依存してしまい、介護が終わると同時に、自分が病気になる危険もあるため、親の介護はほどほどに、頑張りすぎてはいけません。
頑張らないための対策
親の介護は、いつ終わるのかは誰にも分かりません。だからこそ、長期戦になることを見据えた対策が必要です。
一人で抱え込まない
介護の際には、協力者が多いほど安心感が増します。 特に、兄弟姉妹がいる場合、介護の仕事を分担できることが大きな利点です。
たとえば、週替わりで日常生活のサポートを担当することで、個々の負担が軽減され、疲労やストレスを和らげることができます。
さらに、感情的な支えや相談相手としての役割も果たし、家族全体で協力すれば、高齢者の生活の質を向上させることができるでしょう。
サービスを利用する
地域社会全体が協力し、高齢者の支援に取り組む「地域包括ケアシステム」が整備されています。
このシステムでは、住まい、医療、介護、予防、生活支援など、5つのサービスを一体的に提供し、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送れるようサポートします。
地域包括支援センターは、高齢者の相談窓口として専門職員が協力し、高齢者がその人らしい生活を続けられるよう支えています。
公的な介護保険サービスに加えて、民間の介護サービスも増えており、これらのサービスを活用することも大切です。 高齢者のニーズに合わせて、介護プランを立て、専門のケアワーカーや看護師のサポートを受けることで、介護の負担を軽減し、生活の維持に貢献できます。
介護サービスを上手に活用することは、介護の負担を軽減し、より快適な生活を維持するために非常に重要です。 このためには、「まだ大丈夫」と感じるうちからサービスに慣れ親しむことが大切です。
サービスを上手に使いこなすためには、余力があるうちから試行錯誤を繰り返す必要があります。
介護の負担が増してくると、家族だけでは対処しきれなくなることがあります。 そのため、介護サービスを知っているだけでなく、積極的に活用する意識が必要です。 サービスを活用しなかったり、考えなかったりすることは、介護をより困難にする可能性があります。
介護する側も介護を受ける側も、一度しかない人生を大切にし、お互いに助けを求める能力を持つことが大切です。 介護サービスや支援を賢く利用することで、「がんばりすぎない、がんばらせない」介護生活を実現し、より良い生活を送ることができます。
まとめ
親の介護が原因で、「人生が終わった」と後悔しないためには、自分と自分の家族を第一に考え、頑張りすぎないことが大切です。
例えば、介護離職すると親子で共倒れになったり、精神的に限界を超えてしまいます。
そのため、親の介護が必要な時は、一人で抱え込まず、公的&安価な民間サービスを活用しましょう。また、積極的にサービスを利用し慣れておくのも大事です。
やがて、在宅介護に限界を感じたら、早めに施設への入所も検討すべきです。
介護施設には、いろんな種類があり条件もあります。家の近くで、空きがないかもしれません。施設との相性もあるでしょう。これらを考慮するなら、無料の資料を見ておくだけでも、参考になりますよ。
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