スーパーで豆がついたまま売られているのが「大豆もやし」で、これを栽培して成長させ、また大豆を収穫することはできます。
ですが、流通しているもやしは食用として栽培されているので、大豆を収穫するために育てられるものとは、作業工程が全くことなるため、収穫するレベルまで成長させるのはかなり難しいといえます。
この点について、以下で詳しく解説しますね。
大豆もやしが成長したら大豆になる?
スーパーで買った大豆もやしを土に植え、栽培して枝豆~大豆を収穫したという話はありますが、必ずしも成功するとは限りません。
大豆を土に植え種まきから3~4ヵ月、さやが柔らかいうちに収穫すると「枝豆」に。さらに1~2ヵ月後、さやが黄緑~黄色~茶色に変色し、実が成熟してから収穫すると「大豆」になります。
スーパーで買ったもやし、栽培できる?
まずはじめに、一般的に流通しているもやしの製造工程をご紹介します。
「株式会社サラダコスモ(長野県駒ケ根市) もやしの工場見学」より
種子保管:15℃以下で、種子を保管します
種子洗浄:豆の表面に付着したよこれを、80℃のお湯で洗い落とします
仕込み:洗浄した豆を栽培台車に入れ、約35℃のお湯に、5時間浸けることで種子を発芽させます
栽培:仕込み後、栽培台車のお湯を抜き、発芽下種子を栽培室へ移動します。
※真っ暗な栽培室の中では、駒ケ根の良質な地下水の実を使用し育てます。出荷できる状態になるまでには、約9日間かかります。
水温管理、散水のタイミングなどの栽培設定は、栽培室の外にある操作盤で行っています。
もやしは当然「食用」として作られるので、袋詰めされるまでに何度も洗浄され、ひげ根と呼ばれる根っこ部分がカットされることもあります。
また食用もやしは、植物の成長に必要な土や太陽の光を浴びず、出荷されるまで水だけで育てられます。
私たちが普段食べてるもやしの白い部分は、豆から伸びた胚軸(茎になる部分)と呼ばれる部分で、土や光を浴びずに栽培されます。
そうすることで発芽するのが早く、えぐ味が少なくて柔らかくなるからです。
なのでスーパーで買ったもやしが新鮮だったとしても、水に浸けたり、そのまま土に植えて、大豆を収穫するレベルまで育てるのはかなり難しいのです。
もやしを栽培するならもやし用の豆から、大豆を栽培するなら大豆(枝豆)用の豆から栽培するのがおすすめですよ。
では次に、もやしと大豆の栽培方法をご紹介します。
もやしの栽培方法
一般的にスーパーで売られてるもやしは3種類
- 緑豆もやしは緑豆から
- 黒豆もやしは黒豆から
- 大豆もやしは大豆から
なかでも、自家製もやしを栽培するなら「緑豆もやし」が一番、栽培しやすいのでおすすめです。
緑豆もやしの栽培方法
【用意するもの】
- 緑豆もやしの種
※もやし栽培専用の種か、食用の乾物を使う - 広口の瓶など
- ガーゼ
- 輪ゴム
- アルミホイル
【栽培手順】
(1日目)
・広口の瓶にもやしの種を入れ、5倍以上の水を注ぎ、種に水を吸わせる
・もやしに成長すると、10~20倍にカサが増すので、種は入れ過ぎないよう注意
・口にガーゼを被せ、輪ゴムで止める
(2日目~)
・水が濁ってきたら、ガーゼを外さずに水だけ捨てて水をそそぎ、振り洗い
・これを2~3回繰り返し、水がきれいになったら完了
・しっかり水切りをして、瓶をアルミホイルで完全に包み込む
・この作業を朝と晩を目安に繰り返す
※最低気温が10度以上の室内で栽培、また気温が高い季節は傷みやすいので、水洗いを朝昼晩と1日3回を目安に行うと良いでしょう。
【収穫目安】
胚軸が5~6㎝ほど、およそ7~10日が収穫の目安です。
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大豆をプランターで栽培する方法
大豆は大・中・小粒など種類がありますが、栽培するなら地域の特性に合ったものを選ぶと良いでしょう。また大豆の一種「黒大豆」も、育て方は同じです。
またプランターは、深さが20㎝以上ある大きめのものを選びましょう。
大豆・地域ごとのおすすめ品種
- 北海道地方
「ユキホマレ」種まきは5月中~下旬 - 東北地方
「おおすず」・「リュウホウ」種まきは5月下旬~6月上旬 - 北陸地方
「エンレイ」種まきは5月下旬 - 関東地方
「タチナガハ」・「里のほほえみ」種まきは6月中旬~7月上旬 - 近畿・中国地方
「サチユタカ」種まきは6月上旬~7月上旬 - 東海・四国・九州地方
「フクユタカ」種まきは7月上~中旬
栽培手順
60~65㎝のプランターなら3ヶ所に3粒ずつ種をまき、間引きをして3本の苗を育てます。
- プランターに培養土を入れ、15~20㎝の間隔に3粒ずつ種をまく
種は深く埋め過ぎないよう注意 - 本葉が出てきたら、芯が太くてしっかりした芽を残して間引きする
- 草丈が伸びてきたら30~40cmの支柱を立て、茎を結び付けて倒れないようにする
- 株の根元に土をかぶせ、株が倒れるのを防ぐ
- つぼみがつき始めたら少量の肥料を与える
- 土の表面が乾いたらたっぷり水を与える。特に収穫前はしっかり水やりする
- 本葉が5~6枚生えてきたら先端を摘み取る
【収穫のタイミング】
花が咲いた後40~50日頃に、枝豆として収穫。そのまま放置して、サヤが茶色く変色するまで乾燥させると、大豆として収穫できます。
まとめ
スーパーで売ってるもやしは、食用として栽培されているので、大豆を収穫するまで成長させるのは難しいです。
なので、大豆を収穫するなら大豆用(枝豆)の豆を使い、もやしを育てるならもやし用の豆(緑豆)を使って育てる方がおすすめですよ。
また初心者の方には、自宅で簡単にもやしが作れる専用キットが便利です。