牛乳は体に良いとされますが、乳製品のため「夜、寝る前に飲むとコレステロールを上げるのでは?」と気になる方は、コップ半分(100ml程度)を夜の9時頃までに飲むようにしましょう。
牛乳コップ半分なら、コレステロール値は12.5㎎しか含まれてないので、それほど高い数値ではありません。ですが牛乳で気にすべきは、コレステロール値ではなく脂質です。
ここでは、寝る前に牛乳を飲むときの注意点と飲み方について、分かりやすく解説します。
\本格的な味わい/
寝る前に牛乳を飲むならコップ半分までの理由
普通牛乳(乳脂肪分3.8%) | 加工乳(低脂肪) | |
エネルギー(kcal) | 67 | 46 |
水分(g) | 87.4 | 88.8 |
タンパク質(g) | 3.3 | 3.8 |
炭水化物(g) | 4.8 | 5.5 |
脂質(g・飽和脂肪酸) | 3.8(2.33) | 1.0(0.67) |
カルシウム(㎎) | 110 | 130 |
コレステロール値(㎎) | 12.5 | 6 |
コレステロールは、私たちの身体にある脂質の一つで、細胞の膜や胆汁酸を作る材料となり、必要な成分です。
1日に必要なコレステロールは、おもに体内で7~8割合成され、残りの2~3割を食事から摂取しており、過剰に摂取すると体内で合成される量が調整される仕組みになってます。
牛乳のコレステロールは低い
「日本人の食事摂取基準」
コレステロールについて、脂質異常症の重症化予防を目的とした量として、200㎎/日未満に留めることが望ましい
厚生労働省・HPより
牛乳100mlに含まれるコレステロール値は12.5㎎。鶏卵1個では185㎎含まれるので、それほど気にする数値ではありません。
身体に必要はコレステロールの大部分は、おもに肝臓や小腸で、1日に体重1kgあたり12~13㎎作られてます。(体重が50kgなら1日に600~650㎎に相当)
それに対し食事から摂取するコレステロール値は、体内で作られる値の1/3~1/7を占めるだけ。個人差は大きいですが、たとえ食事からコレステロールを多量に摂っても、体内で作られるコレステロール量がうまく調整され、常に一定が保たれる仕組みになっています。
つまり、食事に含まれるコレステロールは、血中コレステロールに影響を与えることはほとんどありません。とはいえ、すでに健康診断等で「血中コレステロール値が高い」方は、寝る前の牛乳はできるだけ避けて、食事にも気配りましょう。
気にすべきはコレステロールではなく飽和脂肪酸
牛乳にはカルシウムなど、大事な栄養素が含まれる一方、気になる成分「飽和脂肪酸」も多く含まれてます。
飽和脂肪酸の含有量・g/100gあたり | |
牛乳 | 2.33 |
たまご(卵黄) | 9.22 |
豚肉(ばら) | 12,95 |
牛肉(ばら・和牛) | 15.54 |
鶏肉(ささみ) | 0.17 |
食品に含まれるコレステロールは、血中コレステロールにあまり影響を与えませんが、飽和脂肪酸を多く含む食品は、体内の総コレステロール値を増やしやすくします。
私たちの身体に必要不可欠なコレステロールですが、過剰に摂取すると生活習慣病の原因になるため、バランスの良い食生活が大事。
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」によると、成人男女・1日の飽和脂肪酸/摂取量は、1日に必要なエネルギーの7%以下と定めています。
1日に必要とするエネルギー量には個人差はありますが、1,800kcal/日とすると7%=およそ14g。
例えば・・・
昼食に豚肉100g分の食事に、寝る前牛乳コップ1杯を飲むと
12.95g+4.66g=17.61g
これだけで1日の飽和脂肪酸・摂取量をオーバーしてしまいます。
牛乳でコレステロールが上がることはない
牛乳に含まれる脂質の60~70%は、コレステロールを増やしやすい飽和脂肪酸。なので身体に良いとは言えませんが、牛乳に関してはそうでもないようです。
というのも、牛乳の飽和脂肪酸には、パルミチン酸が高い割合で含まれており、この成分はコレステロール値に影響を与えないと言われます。
また、牛乳には不飽和脂肪酸のオレイン酸が含まれていて、優れたコレステロール低下作用があることも確認されてます。
「だったらコップ半分どころが、寝る前にもっと飲んだほうが良いのでは?」
いいえ、そんなことはありません。
コレステロールを増やさない、逆にコレステロールを低下させてくれる作用があっても、牛乳にはカロリーも脂質もあります。(69kcal・脂質3.8g/100gあたり)
なので、夜寝る前に牛乳を飲むなら、半分くらいが丁度よいと言えるのです。
寝る前に牛乳を飲むなら夜9時までに
私たちの身体には、目に見えない時計があります。
朝、日が昇ると目覚め、日が沈むと疲れをいやすために眠ります。このように、身体の中には「体内時計」があり、自然に生活リズムが刻まれるよう作られてます。
内臓にもリズムがある
同様に、内臓にもリズムがあり、活発に活動する時間帯と休息する時間帯があります。また臓器によって、その時間帯は違っているため、リズムに沿った時間に食事を摂ることが大切です。
コレステロールは、おもに肝臓で作られます。
肝臓は早朝から働き始め、11時ごろにピークを迎え、そして夜になると胃やすい臓と消化吸収にかかわる臓器と一緒に休眠モードに入ります。
なので、夜は休んでる臓器に負担をかけないよう、早め・軽めの夕食を心がけ、牛乳なども夜9時ごろまでに飲んでおくと、効率よく代謝され身体にため込みにくくなります。
飲んだら歯磨きを忘れずに
牛乳には歯を丈夫に保つカルシウムがありますが、同時に乳糖も含まれてます。乳糖とは糖分の一種ですので、口に残れば虫歯の原因になることがあります。
なので、寝る前に牛乳を飲んだら、歯磨きは必須です。
寝る前に牛乳を飲むメリットは?
寝る前にホットミルクを飲むと、寝つきが良くなると言われますが、具体的にはどういうことか?ほかにどんなメリットがあるか解説します。
寝つきが良くなる?
寝る前に温かい飲み物を飲むと、体温が自然と上がり、布団に入ってスムーズに入眠モードへ移行できます。
特に牛乳に含まれるビタミンB群が、糖質・タンパク質・脂質をエネルギーに変換されるのを助け、疲労回復が早まることで、寝つきが良くなるのです。
女性に嬉しい美容とダイエット効果
牛乳に含まれるビタミンB2は、肌や髪・爪や粘膜の健康維持を助けてくれます。
また、寝ている間には成長ホルモンが分泌されるので、寝る前のホットミルクで質の良い睡眠をとることは大切です。
また、牛乳に含まれるカルシウムは、丈夫な骨づくりに欠かせませんが、不足すると体脂肪の増加につながると考えられています。これは、ミルクカルシウムがインスリンの分泌量を抑え、脂肪が生成されにくくする作用があるからとされてます。
便秘対策としても
牛乳には、100g中4.8gの炭水化物が含まれ、そのほとんどが乳糖です。
乳糖は、小腸で分解・吸収されますが、その一部は大腸に届き腸内のビフィズス菌や乳酸菌のエサとなって腸内環境を整え、便秘対策としての効果が期待できます。
まとめ
コップ半分の牛乳には、コレステロールが12.5㎎しか含まれていないため、寝る前に飲んでもコレステローㇽが急激に増える心配はありません。
また、牛乳に含まれる脂質には、コレステロールの低下作用のあるオレイン酸があり健康的な飲み物で、腸内環境の改善にも役立ちます。
とはいえ、カロリー・脂質を含んでいるので、1日に飲む量はコップ1~2杯まで、夜寝る前ならコップ半分ほどを夜9時までに飲むのがおすすめです。
食べ物から摂取するコレステロールは、血中コレステロールに関係はしませんが、気になる方は過剰摂取を避け、バランスの良い食生活を心がけましょう。
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