関西弁とは、大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・三重県・和歌山県を中心に使われる方言の一般的な呼称です。
そして関西弁の中に大阪弁が含まれ、さらに大阪弁には、泉州弁・河内弁・摂津弁の3種類があり、『来世は他人がいい』に登場する染井吉乃たち、関西陣が使っているのは「泉州弁」。
なので、文字でセリフを見ると違和感があり、エセ関西弁のように感じる方もいるようです。とはいえ、大阪人同士が会話する上では、何の支障もないようです。
ここでは、『来世は他人がいい』に登場する関西弁やセリフ・話し方について紹介します。
「来世は他人がいい」吉乃や関西陣は泉州弁
大阪弁には、泉州弁・河内弁・摂津弁の3種類があり、その中でも摂津弁が一番クセのない言葉で、大阪の標準語に値する言葉とされてます。
それに対して泉州弁は、大阪南西部・泉州地域でおもに使われますが、泉州地域の北側は大阪弁に近く、南側では和歌山弁に近いと言われます。
来世は他人がいいで使われる泉州弁の特徴
泉州弁は、地域外の人が聞くと「ケンカしてるのか?」と思うほど、荒っぽく聞こえますが、吉乃が言うとかっこいいですね。
泉州弁の特徴としては、語尾に「~け」と付けることが多いこと。例えば、「ほんまか?」を泉州弁にすると「ほんまけ?」となります。
また、泉州弁には「敬語がない」という特徴があります。そのため、「ガラが悪い」とか「品がない」と誤解されることもあるようです。
吉乃は東京に来る時、「郷に入れば郷に従え」という蓮二からの教えで、標準語をみっちり仕込まれ、はじめこそ標準語を話してましたが…
あることをキッカケに吉乃は、「やったろやないか…」と腹をくくり、本来の泉州弁を使うようになりました。本来の自分を取り戻した吉乃の姿に、「カッコいい」というファンの声が多く聞かれます。
関西弁に対する読者の反応
作者の出身地は不明ですが、セリフの関西弁に関しては、きちんとチェックされてるようです。
「関西弁」と言っても、すべての地域で同じ方言を使うわけではないので、人によっては馴染めなかったり好き嫌いがあるかもしれませんね。
作者によると、吉乃の出身地は決まっているので、関西弁のセリフにはこだわりがあるそうですよ。
「来世は他人がいい」の気になる話し方
『来世は他人がいい』のセリフは、大きく分けて東京言葉と関西弁の二つですが、場面によって話し方を変える人物がいます。
主人公の吉乃もはじめは、必死で覚えた標準語を使ってましたね。
大阪弁の鳥葦 翔真
翔真は、小学校の頃に母親が他界、親戚のもとをたらい回しにされた挙げ句養護施設に入り、中学になるころ実の父親に引き取られた青年。吉乃の2つ年上ですが、同じ中学に通っていたことから、翔真も泉州弁で話します。
現在、京都の大学に通う翔真ですが、物語の中で吉乃とはなぜか?ほぼ標準語で敬語で話しています。
おそらく、「泉州弁」には敬語がないことから、翔真は吉乃と話すときだけ標準語を使い敬語を使っていると考えられます。それだけ翔真にとって吉乃は、とても大切な存在なのではないでしょうか?
京都弁の明石潟 椿
祖父蓮二の愛人の娘の娘、吉乃には従姉妹にあたる椿は京都出身、やんわりとした京都弁を使う生粋のお嬢様ですが、ヤクザの家系らしいシーンも登場します。
吉乃・霧島・椿の3人に遊んでいた時は、標準語で話していた椿、あるタイミングから突然京都弁で話し始めます。なぜこのタイミング7日は不明ですが…作者の方言の使い分けへのこだわりが感じられます。
まとめ
『来世は他人がいい』に登場する関西弁や話し方に関して
- 吉乃たち関西陣は大阪南西部・泉州地域でおもに使われる泉州弁
- 一般的な大阪弁からすると違和感がある
- 泉州弁には敬語がない
- 鳥葦翔真も泉州弁だが吉乃に対してはほぼ標準語を使う
- 明日潟椿も京都弁と標準語を使い分けている
などのことがわかりました。
吉乃の使う泉州弁は、テンポが良く個性的で極道一家で育った彼女にピッタリ。一方、もう一人の主人公・深山霧島は、吉乃とは対象的にキレイな標準語を話し、人当たりの良さがありますが不気味さを感じる高校生。
そんな二人が『来世は他人がいい』というタイトルで、今後どうなるのか?また、2024年10月からはTVアニメも放送開始。
物語は未だ完結していないので、どちらも展開が楽しみですね。