キキのお父さんは、「オキノ」という名前で40歳。民俗学を研究する、ごく普通の人間です。キキは見習いとはいえ魔女、これは母親コキリの血を引いていたんですね。
作品の中で登場場面は少なく、ちょっと地味な印象のお父さんですが、「となりのトトロ」に出てくる、サツキのお父さんに似ているという説もありますが、どうでしょうか?
左がキキのお父さん、右がサツキのお父さん、確かによく似ていますね。ここでは、魔女の宅急便に登場するキキのお父さん、オキノに関する情報と、サツキのお父さんに似ている説について解説します。
魔女の宅急便キキのお父さんはオキノ
オキノは学者という肩書がありながらも、気取ったところがない普通のお父さん。ですが、奥さんと娘が魔女でも気にせず、受け入れてるところはやっぱり、学者という職業のせいでしょうかね。
職業は民俗学者
名前:オキノ
年齢:40歳
職業:民俗学者で、魔女や妖精の研究をしている
キキのお母さんコキリは魔女ですから、仕事を通じて知り合い、結婚したのかもしれません。きっと彼にとって、魔女とか人間とかは関係なく、一人の女性として受け入れることができたのではないでしょうか。
またオキノは、民俗学者としての仕事をかねて、家族とキャンプに出かけます。キキが魔女の修行に出発するときも、近々キャンプに行く予定を立てていましたね。
オキノはキャンプに行くことで、家族との絆を深めたり、キキと一緒に遊びながら自然の知識を教えてきました。もしかしたら、コキリからも薬草について、いろいろ教えてもらっていたかもしれません。
性格
作品の中でお父さんは、最初と最後にしか登場しませんが、穏やかそうな雰囲気があります。オレンジ色のベストに緑のネクタイ、おしゃれな感じはありますが、派手好きな性格ではなさそうですね。
愛車は、アンティークな小型車・黄色いフィアット・トッポリーノ、キキが持っていた赤いラジオもお父さんからもらったもの。色にはこだわりがあるのかもしれません。
キキが突然、魔女の修行に出ることを決めたときは、「上手くいかなかったら帰ってきて良いんだよ」と優しく声をかけますが、引き止めることはしませんでした。
きっと心の底から娘のことを心配しながらも、「娘の決めたことを尊重したい、やりたいようにやらせたい」という、優しくて寛大な心の持ち主なのではないかと推測できます。
高い高いの意味
キキがコキリに仕立ててもらった黒のワンピースを着ると、「母さんの若い頃によく似てる」と、昔を思い出します。するとキキから
「おとーさん!ねぇ高い高いして!小さいときみたいに!」とせがまれ
「いつの間にこんなに大きくなっちゃったんだろう。上手くいかなかったら、帰ってきて良いんだよ」と励ましの声をかけます。
これは、父親オキノにとって、キキの成長を実感する瞬間であり、最後のスキンシップでした。
母親のコキリは、「あの子ったら、空飛ぶことしか覚えなかった」と言ってました。魔女は生まれつき、魔法を使えたり空を飛ぶことができる訳じゃないんですね。
でも、キキが「空を飛ぶこと」を覚えたのは、小さいころからお父さんに「高い、高い」をしてもらっていたからかもしれません。
キキのお父さんとサツキのお父さんは似てる?
オキノは普通の人でありながら、魔女の娘の成長を優しく見守る父親でしたが、となりのトトロに登場するサツキのお父さん、草壁タツオさんはどうでしょうか?
サツキのお父さん:草壁タツオ
名前:草壁タツオ
年齢:32歳
身長:180㎝
職業:考古学者であり、大学の非常勤講師をしながら、自宅では中国語の翻訳の仕事をしている。旧帝大の1つ北海道大学の出身との情報。
サツキのお父さんは週に2回、東京の大学で非常勤講師を務めながら、自宅で考古学の研究や、中国語の翻訳の仕事をして生計を立てています。しかも、奥さんは病気で入院中のため、普段は家のこともこなす超多忙な毎日です。
二人の共通点
まずは外見、オキノとサツキのお父さんどちらも、黒縁メガネをかけて描写的に似た雰囲気がありますね。
またどちらのお父さんも、娘に対して愛情深く、理解力があり、娘の決意や想像力を尊重してくれる、とても心優しいところがあります。
例えばオキノの場合、キキが魔女の修行に出発する時、「上手くいかなかったら帰ってきて良いんだよ」と言い、娘の決意を尊重します。
一方サツキのお父さんは、メイがトトロに出会ったときのことを「本当にいたんだもん!」と告げると、「嘘だなんて思ってないよ」と娘を否定しませんでしたね。
これら二人の父親は、それぞれ違った状況に直面しながら、子どもたちの成長を支えるという共通点を持っていました。
ちなみにオキノは、ほかのジブリ作品「天空の城ラピュタ」に出てくるムスカ大佐や、「風立ちぬ」の主人公・堀越二郎にも似ていると言われます。
まとめ
魔女の宅急便・キキのお父さんは
- 普通の人間で40歳、魔女や妖精について研究する民俗学者
- 家族思いでキキの成長を見守る優しい父親
- となりのトトロに登場するサツキのお父さんといくつかの共通点がある
ことがわかりました。
キキは出発の時、お父さんに「高い高いして」とせがむほど、13歳にしては幼さが残る、世間知らずな少女。
それに対してオキノも、「上手くいかなかったら帰ってきていいんだよ」と言葉をかけますが、優しい反面、娘を甘やかしてしまう父親との意見もあります。
ですが、そんな父親の背中を見て育ったキキだからこそ、都会の中で優しい人達とめぐり逢い、苦難を乗り越えることができたのだとわたしは思いました。