「女50代・何をしても楽しくない」と感じる原因と対処法、上手に気持ちをシフトチェンジ

50代に突入すると、およそ8割の人が更年期障害を含め体に何らかの不調を感じ、「何をしても楽しくない」と思う傾向にあります。

また、若い頃にはなかった悩み、例えば老後生活に対する不安・親の介護・退職へのカウントダウンなど、環境の変化に体と気持ちが追いつかず、心身ともに疲れてしまうことも原因になります。

最近では、60歳を過ぎても働く人が多くなりましたが、50代は単に40代の延長戦ではありません。今こそ生活習慣を見直して「50代モード」にシフトチェンジするタイミング。

ここでは、50代の女性が”何をしても楽しくない”と感じる、原因と対処法についてまとめてみました。

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「何をしても楽しくない…」と感じる原因・体の不調

不安に関する画像
日経ビジネスより

上図で分かるように、50代の10人中7人は日常生活において、何らかの悩みや不安を抱えています。

これはちょうど、女性ホルモンの低下する時期と重なります。

女性ホルモンの画像

落ち込んだり不安を感じる更年期

日本産婦人科学会の調査によると、女性が閉経を迎える平均年齢は49.5歳。

更年期とは閉経前後の5年間(通算で10年間)で、エストロゲンと呼ばれるホルモン分泌が低下するのに加え、年齢に伴う体調の変化や精神的な要因などが関係し、さまざまな症状が現れます。

【身体的な症状として】
腰痛、関節・筋肉痛、冷え、しびれ、疲れやすさ、湿疹、排尿障害、頻尿など

【精神的な症状として】
気分の落ち込み、倦怠感、イライラ、意欲の低下、不眠、食欲低下など

【血管運動的な症状として】
のぼせ、顔のほてり、発汗、動悸、息苦しさ、頭痛、肩こり、めまいなど

更年期障害は、病気ではないのに日常生活に支障をきたす厄介なもので、その症状は200~300種類あるといわれます。

体調の変化だけでなくイライラしたり憂うつになり、「何をしても楽しくない」と感じる原因になることがあります。

そのほかの原因・現実的な問題

女50代、環境は違っても「何をしても楽しくない」と感じる、共通の原因がいくつかあります。

  • 老後生活に対する不安
  • 親の介護
  • 退職へのカウントダウン
  • お金がない

老後生活に対する不安

「生活保障に関する調査」(生命保険文化センター)によると、50代女性の半数以上52.1%の人が、「老後生活が経済的に苦しくなること」を不安に感じています。

そのため、「50代は老後資金をためるべき」かもしれませんが、若い時のように働けるわけでもありません。

親の介護

40~50代になると、親も介護が必要な年齢に達しますね。親の介護が始まると、自分の生活はどうなるでしょうか?

まず費用についてですが、介護といっても方法はいくつかあります。ここでは「家に居ながら」の場合ですが、平均的におよそ毎月5万円が必要に。

そして介護期間は平均、54.5ヵ月(4年7ヵ月)。つまり在宅介護の合計金額は272.5万円、これは1人当たりの金額で、両親となればさらに費用がかさみます。

また、親の介護を通して自分の老後を心配するというケースが多く、不安から「何をしても楽しくない」と感じるかもしれません。

退職へのカウントダウン

定年退職を控える50代のおよそ8割の人は、「定年後働かないことに不安」を感じてます。その理由は、老後の生活資金が足りないこと。

50代でも、老後資金として2000万をクリアしてる人は、約5人に1人。全く貯金をしてない人も4人に1人と比較的多くいるのです。

年収も女性の場合、40代がピークで年齢が上がるごとに増えにくい(減少する)のも事実。

老後資金をためたくても、「あと何年働けるのか…」と考えると憂うつになり、何をしても楽しめない気持ちも理解できます…

お金がない…

近い将来に迎える老後は、今より収入が減るもの。

定年後の生活費を支える年金も、現在の社会事情から「そもそも、もらえるのか?」という不安を抱く人も多くいます。

50代ともなれば、老後のための貯金額が見えてくるがゆえ、余計に老後の資金不足が現実的に思えてきます。

また健康的な不安から、予測できない医療費も心配ですね。

常に、「いつどうなるか分からない」という考えは持つべきですが、不安が大きいほど物事を楽しむ余裕がなくなります。

体調が悪い時の対処法

更年期はすべての女性が経験しますが、更年期障害は全員に起こるものではありません。

症状に個人差が大きいのが特徴で、何の症状のないまま50代を過ごす人もいますが、症状を多少感じる方、症状が重い方、治療する方などさまざまです。

更年期障害による症状はいずれ終わりが来ます。

同年代の人と自分を比べ、「あの人はあんなに元気なのに自分は…」と思うと、さらに症状を悪くして「何をしても楽しくない」と思うようになるかもしれません。

自分は自分、他人と比べたところで何の解決策にはなりません。なので、ありのままの自分を受け入れましょう。

◎家事の時間を減らして自分の時間を増やす

◎気分の良い時は、ほんの少し外の風に当たってみるのはいかがでしょうか?

◎庭やベランダに出るだけで、季節の変化に気づき気分が変わるかもしれません。

◎もう少し気分が良ければ、家の近所を散歩してみましょう。

5~10分でも十分です。徐々に時間と距離を伸ばすことで、新しい発見があるかもしれませんよ。

【インドア派なら】

家でゆっくり読書をしたり、音楽や映画鑑賞してみるのはいかがですか?

体を動かすのが億劫でなければ、自宅でできるトレーニングもおすすめですよ。

50~84歳の女性507名を対象に「シニア女性の幸福に関する調査」をしたところ、熱心に取り組んでいる趣味や活動が多いほど、幸福度が高くなることがわかっています。

「熱心に取り組んでる趣味・活動ランキング」

  1. 健康づくりのための運動
  2. 読書
  3. 園芸・ガーデニング
  4. 仕事
  5. テレビ視聴
  6. 旅行
  7. グルメ・食べ歩き
  8. ショッピング
  9. 手芸・編み物・洋裁
  10. 映画鑑賞

(PRTIMES シニア女性の幸福に関する意識実体調査より)

老後資金・お金の不安を解消するには?

まずはじめに、働いてない方は外に出て自分で稼ぎましょう。

「この歳で仕事なんかある?」と思うかもしれませんが、根気よく探せば見つかるものです。

2020年4月から「改正高年齢者雇用安定法」が施行されるようになり、65歳になるまでの雇用確保義務に加え、70歳になるまでの就業確保措置が努力義務となり(厚生労働省HPより)、近年では70歳まで働く人も増えています。

また、50代が準備しておくとしたら、長く働ける資格の取得もおすすめ。

資格取得を目指すときは、自分の経験と関連するものを選ぶのがポイントです。

例えばドラッグストアで働いた経験があれば、「医薬品登録販売者」資格を目指すのはいかがでしょうか?資格があるだけで、時給がグンとアップしますよ。

また、今すぐ仕事を始めるなら、在宅の仕事を始めてみるのも良いでしょう。集中できる時間を利用して、短時間の仕事でも十分な成果が期待できます。

親の介護と自分の老後生活

親を自宅で介護すると、1人当たりおよそ272万円必要ですが、施設に移るとなるとさらに費用がかさみます。

そのため自分自身、高齢期の生活設計を兼ね施設に関する資料を取り寄せたり、実際に見学しておくと良いでしょう。

元気なうちにいくつかの施設を見学しておくことで、老後生活の見通しができ、気分が落ち着いて安心感が得られるものです。

まとめ

女性が50代になって、「何をしても楽しくない」と感じるのは、更年期障害を含む体の不調や、将来に対する不安が原因です。

問題の解決策といっても、人それぞれ環境が違うので、方法にも個人差があります。

まず、優先すべきはムリしないで、上手に気持ちをシフトチェンジすること。

ムリをすると、環境の変化に気分が追いつけず、心と体に疲れがたまり人によっては「うつ状態」になることもあるからです。

そして、不安に思うことを具体的に書き出してみましょう。悩みや不安を「見える化」することで、頭と心の中が整理されます。

次に、1つ1つの不安に関しての解決策を考えます。お金に関する悩みなら、プロのファイナンシャルプランナーに相談してみるのがおすすめです。

少しずつ心に余裕が持てるようになったら、次に夢中になれること・ワクワクすることを見つけてみましょう。