『甘神さんちの縁結び』は、施設育ちの受験生・上終瓜生と、甘神神社の巫女・三姉妹の4人が織りなすラブコメディですが、SF要素も登場します。
施設を退去する時期が迫る瓜生は、「神社の婿養子」になることを条件に、三姉妹との共同生活をスタートさせます。そして、宮司である三姉妹のお爺ちゃんにより、三姉妹とお見合いをする展開に。
長女の夜重はお見合いの最後、瓜生へ”厄除け”のお守りを渡します。受験生の瓜生なら”学業成就”か”合格祈願”では?と思いますが、なぜ厄除けだったのか?考察しました。
甘神さんちの夜重が瓜生に厄除けのお守り?
「甘神神社」の長女・夜重は芸大に通う20歳、瓜生は京大医学部を目指す17歳。
この二人、瓜生が神社にやって来たのが初対面ではありませんでした。かつて瓜生が小学生の頃、夜重と出会っていたのです。
厄除けのお守りをあげたのはなぜ?
それは夜重が、「これ以上瓜生に災難が起きないよう」願ったからだと思われます。
瓜生は幼少期に唯一の母親を亡くし、その後親戚をたらい回しにされた結果、児童養護施設「きせき園」に引き取られ育ちました。
かつて夜重が出会ったのは、「きせき園」で過ごしていた頃の瓜生と思われ、神社にやって来た瓜生がかつて出会った少年であることに、夜重気づいていた様子が見られます。
なので夜重の願いは、瓜生自身の「京大医学部」に合格する願いが叶うより、これ以上「不幸なことが起きない」ことだったから、”厄除け”のお守りを贈ったと個人的に考察します。
”厄除け”にはどんなご利益がある?
一般的に”厄除け”のお守りは、前厄・本厄・後厄などを無事に乗り越えたいと願う人が身につけることで、ご利益があるとされています。男性の場合、25歳・42歳・61歳、特に42歳は大厄とされています。
瓜生は17歳、数え年でも18歳なので厄年には当たりませんね。
ですが厄除けのお守りは、厄年の人に限ったものでなく「災難から守ってくれますように」という意味を込め、誰でも受けることができるとも言われます。
瓜生がお守りをもらったその後
夜重から厄除けのお守りをもらうと…早速アクシデントが起こり、階段から足を踏み外し真っ逆さまに落ちていきます。
そして瓜生は、走馬灯のように母親や「きせき園」でお世話になった人の姿を思い浮かべ、「自分も母親のところへ行くのかと」一瞬、死を覚悟するのですが…
瓜生は予知夢を見るようになる?
瓜生は、甘神神社の三姉妹の姿とまだ経験してない光景や自分が医者として働く姿、そして三姉妹の花嫁姿を見て、自分の部屋で目を覚ましました。
この不思議な体験がお守りと関係あるかどうか?は定かではありませんが、その後も瓜生は、三姉妹との関係を暗示するかのような”予知夢”を見ることになります。
お守りを買った伏見稲荷大社とは?
夜重が瓜生に贈ったお守りは、「伏見稲荷大社」で買ったものでしたね。
私達にとって、もっとも身近な神社といえる「お稲荷さん」。全国に30,000社あるといわれ、全国各地で老若男女を問わず親しまれています。その総本宮が伏見稲荷大社です。
時代時代の人々の篤い信仰心によって「」衣食住ノ太祖ニシテ萬民豊楽の神霊ナリ」と崇められ、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、諸願成就の神として、全国津々浦々に至るまで広く信仰されてまいりました。
「伏見稲荷大社」HPより
千本鳥居で有名な伏見稲荷大社、境内にはいたるところに稲荷大神のお使いである”キツネ”がいて、楼門前には、阿吽のキツネが鎮座しており、右側は”玉”・左側は”鍵”をそれぞれ咥えています。
他にも稲穂や巻物を咥えていたり、さまざまな格好をしたキツネが点在し、神秘的な雰囲気がありますね。
キツネは、農業が始まる春先にかけて里に降りて姿を現し、収穫が終わる秋頃になると山へ戻ることから、濃厚を見守る”守り神”のように考えられていたという説もあります。
そんな伏見稲荷大社のお守りを受け取った瓜生は、神様と縁が結ばれて、不思議な体験をするようになったのかもしれません。
まとめ
『甘神さんちの縁結び』に登場する、巫女姉妹の長女・夜重と瓜生は過去に出会っている経験があります。なので、夜重にとって瓜生は特別な存在であり、他の姉妹とはちょっと違った感情を持っていると考えられます。
そして夜重は、瓜生にこれ以上「不幸なこと」が起きないように、”厄除け”のお守りを贈ったのではないでしょうか?
また、夜重はなぜ「甘神神社」ではなく、「伏見稲荷大社」のお守りを贈ったのか不明ですが…今後の展開でその真相が明かされるかもしれないので、楽しみにしていてください。