『殿と犬』は、戦国の世が終わった江戸時代。
かつて大名であった十文字重虎が、貧乏長屋暮らしをするなか、一匹の犬を拾ってしまい…殿が犬に振り回される姿をコミカルに描いています。
犬はどうみてもコーギー?江戸の日本ではあり得ませんね。ちなみに、犬のモデルは作者の愛犬ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(コーギー)ということです。
1980年頃に日本へ上陸したとされるコーギーですが、どんな習性があるのでしょうか?ご紹介します。
『殿と犬』主人公の犬はコーギー?
日本では、縄文時代の遺跡から犬の骨が見つかるほど、犬の歴史は古く、おそらく狩猟用に飼われてたいたと考えられます。
犬種はコーギー?
殿が出会った犬は短足で尻尾がなく、「姿の珍妙さに同情」したことから、つい拾ってしまったようですが…
短足で胴長、尻尾がないのがコーギーの特色。ぷりぷりとしたお尻が魅力的ですね。ピンと立った耳と凛々しい顔立ちで、性格はとても活発で明るく元気いっぱい、比較的飼いやすい犬種と言われてます。
物語に登場するコーギーは、強面な殿・十文字にもすぐに慣れていたことから、警戒心がないおっとりタイプ、また川へ釣りに行くと、サワガニにちょっかいを出す仕草からも、好奇心旺盛な成犬と思われます。
殿と犬との出会
コーギーは、国交の手土産として異国から連れてこられたのですが、なんやかんやで気づくと…川に漂流しているところを殿に拾い上げてもらいました。
そして小魚をもらい、人からいじめられそうになったところを助けてもらうと、コーギーすっかり殿に懐いてしまい、家に連れて帰ってもらったのです。
コーギー:犬種の由来と習性
コーギーを拾ってしまった殿
「お前は狩りとか…いやその短い足では期待出来ぬか
番犬は…いや無理か、脳天気な顔じゃしなぁ…」
と、コーギーに関しての知識が何もありませんでしたが、仕方ないですよね…
コーギーの由来
「コーギー」は2種類に分類されます。
尻尾がなくぷりぷりしたお尻なのが、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」、殿が拾ってしまった犬ですね。
もう1種は、ペンブロークより一回り大きく、尻尾がある「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」です。
どちらも短足胴長ですが、カーディガンのほうがさらに胴長。近年では、断尾しないぺんブロークも増えてきています。
ほとんどのコーギーは生まれつきのしっぽを持っていますが、生後間もない頃に尻尾を切るケースが多いため、”コーギー=しっぽのないお尻”というイメージが定着しています。
尻尾を切るようになったおもな理由は、牧羊犬として働く際の安全確保や税金対策であり、その他にも感染症予防、キツネと間違われて打たれるのを防ぐなどの歴史的な背景です。
しかし、ペットとして育てられるのが一般的になった現代では、断尾の必要性はほとんどなく、海外では動物福祉の観点から断尾しないケースも増えてきています。
PETEO「コーギーのしっぽについて 切られる時期や切る理由を解説!」より
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、1107年にフランダース地方の機織り職人とともにイギリスにやって来て、その後、イギリスのウェールズ地方を中心に牧羊犬として活躍。
牛を追いかけることができる豊富な運動量と、体高が低いため牛に蹴られにくい理由で重宝されました。
イギリス王室のエリザベル女王は、何十年にわたりコーギーと一緒に暮らし、メディアを通じて”ロイヤルドッグ”として有名となり、現在も家庭犬として人気の犬種です。
ちなみに、日本でコーギーを有名にしたのは”紅茶のCM”がキッカケとされてます。
コーギーの習性
牧羊犬に起用されるほど活発でやんちゃ、”好奇心旺盛”で何事にも積極的にチャレンジするところがあります。
人間や他の犬にもフレンドリーで、ペンブロークは特にその傾向が強いと言われます。確かに、『殿と犬』に登場するコーギーも、殿に懐くのが早かったですね。
まとめ
『殿と犬』に登場する犬に関して
- 犬種はウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- 江戸時代の日本にはいない
- 作品に登場するコーギーのモデルは作者の愛犬
- コーギーの性格はやんちゃで好奇心旺盛、とてもフレンドリー
犬のしぐさがなんとも可愛い『殿と犬』は、2024年10月からTVアニメが放送開始!
自由奔放な犬と、心優しい殿との日常に癒やされること、間違いありませんよ。